旅館に客が来る、女将が対応する。
女将「お帰りなさいませ」
客「あぁ」
女将「当旅館では1階にて天然の温泉などご利用できますゆえ、ぜひお疲れを癒していただくのがよろしいかと」
客「カップラーメン。」
女将「え?」
客「カップラーメンある?」
女将「カップラーメン...ですか。当旅館ではそういったものは取り扱ってございません...」
客「取り扱ってない。そうですか、でもね女将さん。こういう時ってたとえここに置いてなくても、ササッと買いに行かせて、笑顔で提供するのが、本当の"おもてなし"ってやつなんじゃないのかい?僕はね、そういう気持ちよさがあるって評判だったから、ここに来たんだよ。このままじゃあ、ここの評判を落とす結果になるよ、女将さん。」
女将「左様でございますか...では少々お待ちください」
女将、なにやら部下に耳打ちをする
女将「ただいま買いに行かせておりますゆえ、お客様は突き当たりを左に曲がった"ござぼりの部屋"へお進み下さい」
客「ござぼり?」
女将「くつろげるスペースということです」
客「はぁ...あのね、変な名前付けない方がいいと思いますよ。僕はいいけど、今の若者にはウケないと思うね。」
客、"ござぼりの部屋"へ
しばらくして
女将「お待たせいたしました。カップラーメンでございます。」
客「おっそいよ。待たせすぎ。気をつけてねー?」
女将「失礼いたしました」
客「あれ、ナニコレ、お湯入ってないじゃん」
女将「お客様には出来たてを食べていただきたく、今からお湯をお注ぎいたします。」
客「チッ。んだよ、いまから3分も待たなきゃいけないの?どんだけ待たさせるの、嫌なんだけど」
女将「(お湯を注ぎながら)でしたらお客様、3分間退屈しないように、余興をさせて頂いてもよろしいでしょうか」
客「おぉ!いいね、そういうのそういうの、おもてなしっていいねぇやっぱり」
女将、指パッチン
襖が全て開く、そこは広すぎるスペース。そこは襖で壁ができていたからこそ部屋であったが、すべてが開くと四辺を囲む壁が見えない程広い大きなひと部屋となった。
客、驚いている
女将「鬼ごっこです。さぁ、私を捕まえないと食べられませんよ!」
そう言って女将はカップラーメンを持って走り出す。呆気にとられている客をよそに、女将は走り出す。思いのほか走るのが速いので、客は焦って走り出す。
大人の心は邪。純粋な子ども心を思い出せ。
3/9/2026, 3:28:50 PM