天坂えみる

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3/18/2023, 11:00:08 PM

        『不条理の庭』
目が冴えるほどの絶景の下 溢れ出す悪口と妬みで
会話(と言っていいのだろうか)が成立している
これが彼等の愉しみだとしたら 私の喉を庇護するものがいよいよ悪魔になるだろう 感謝と感謝は睦み合い 淀みのない川に溶けていく そんな庭を想像していた 彼等の会話を紡ぐ糸のほつれが やりようのない鬱屈を増幅させる

3/17/2023, 9:46:57 PM

  『君が好きそうなメロンパンを見つけたよ』
休憩時間も束の間 感情線の小槍の上でアルペンダンスは踊れない 嘲笑われても放っておかれても
ここでなんか泣けない泣かない 万人の涙を誘う旋律も 無難に美味しい時短レシピも 見ないふりして
敢えて無視して 走り出す 走り出す それだけ聞いたら 私は絶賛青春謳歌中 そういえば飲み物を買ったコンビニで 君が好きそうなメロンパンをみつけたよ

3/16/2023, 12:31:15 PM

          『身震い』
いつか切り取った夕暮れの端くれが頭に過る
あれは下北沢駅前の踏切りか マリーローランサンの
花の画か 嫌な記憶でもないのに身震いしている
霊的ななにかと勘違いしてその身震いが加速する
こんな時に独りは嫌だと我儘を言う 嫌いな人混みの中に紛れていたいと切に願う

3/15/2023, 12:44:20 PM

          『満天』
星々は狂おしいくらい煌めいて 夜空の妬みを埋めていく 心のしこりが心のこり そんなのどうでもよくなって 楽器を奏でたい夜がやってくる 植物博士は宴が好きさ モノマネ子猿はすでに眠たげ みんなの星を認めあって 輝き合いひとつになっていく

3/14/2023, 3:34:15 PM

        『麝香猫の夜』
奥深い眠りから醒めた朝 窓の雫と蜥蜴の亡き骸
しゃがみこんでみつめる先は 今しか見れない新世界
空想好きの私はいつも ペンとノートを片手に持って
生きてる証を残そうと 足掻くように詩を書いた
この詩は私の糞そのもの 読んでもいいし捨ててもいい いつのまにか夜がまた来る 麝香の匂いで何故だか私は目が冴える

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