不者

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5/28/2024, 12:18:24 PM





 夏の煙りに乗りながら
 春の香りと踊れるよう



 願い請われた京友禅から
 隠れ仕立てたワンピース



 萌黄に咲いた白木蓮と
 朱い洋靴も履いていい



 もう 何も貴方を縋らない
 貴方は何も拭わなくていい




















――――
(半袖)

5/27/2024, 12:21:36 PM




いつもありがとうございます。
センシティブなお題につき今回は見送りいたします。
宗教観が絡むものをお題として書くことが難しく。
また次回お目に掛かりましたらよろしくお願いいたします。


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(天国と地獄)投稿パス

5/26/2024, 1:28:43 PM





人が人で在る ほんの小さな心の置き場を

常識人たちは 片隅さえも許してくれない

はやく出ろよ なんて急かしておきながら

消えてしまえ と 抉り潰して止まらない



夜逃げのよう 私は私の中で転々と迷い猫

私の名残達は 最期は石のように身を固く

消えてしまえ と 柔い己が肉を掻き毟る






国道は59号線 夜夜に急ぐ車たちは鉄の河

煤を散らして 立ち並ぶ店店は虚飾華盛り

歩き続けても 逃げ場なんて何処にも無い

眼に入る社会 眼を伏して反射する無関心






人が人で在る ほんの小さな心の置き場を

生きるために 片隅さえ許してはくれない

やがて狂気が 蒼白く路傍まで照らしても

見上げて睨め 私の行き場所は私じゃない








人が人で在る ほんの小さな心の置き場よ


夜逃げのよう こんな路傍に溶けても睨め






















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(月に願いを)

5/25/2024, 7:29:50 PM




 調子は良くないけれど
 いつも通りでなくても

 季節の移り変わりも又
 風流の極であるのだと

 鵜呑みに良かれと思い
 冬と夏の間を 懸命に

 反復横跳びをしていた
 季節感は その一身に

 何故だか思いがけない
 批判を浴び続けた結果

 他責と自責の念を混ぜ
 さめざめと泣き始めて

 この有り様なのである


















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(降り止まない雨)

5/24/2024, 2:18:47 PM





 さきほど不思議な出で立ちの

 物物しげな人か狸か風来坊か

 往時の自身に告ぐ言ぞあるか

 などと蒟蒻の様に仰るもので

 それならあの頃に言づてなど

 わかりもしないエピソードを

 いくつか伝えてみましたの。



 あいわかったや伝えましたぞ

 などそれは満足気でしたので

 何がわかるものか木偶の坊と
 
 私少し気分が悪くなりまして

 お巡りさんに引き渡しまして

 こうして帰ってきましたの。






 如何にも変わりませんのね。


 消えなかった私の勝ちかしら


 ふふ。愚かな私。ご愁傷様。








 はたしてそれはどの頃の



















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(あの頃の私へ)

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