不者

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4/16/2024, 11:37:59 AM


 ふっと
 音が消えて

 現れた医者
「君は大丈夫」
 そう大丈夫
 踊る街路樹

 折り畳む
 紙飛行機
 開いた先
 君は其処

「  大丈夫」
   大丈夫
 ひらひらと
 とどかない

 見えないの
 押し花の栞
 閉じる手の
 出口は彼方

 冷えない顔
 言えない鐘
 君の音 心配は
 燦燦と 軽佻に
 星砂が溝を梳く

 昼は詞に祈れ
 夜は海に溶け
 朝は枕が塞ぐ
 僕は何処にも
 
 こんこんと
 ねむりはて
 おもうこと
 ねがうこと

「  流される」
 君は流される

 医者は
 街路樹と踊る
  




―――――――
(夢見る心)

4/15/2024, 1:34:59 PM

かつりと鳴いた 飛車の筋
振る舞いだけは 名人さま
勝ったら今度こそ なんて
劣勢さえも ほくそ笑んで

貴方 いつも負けが込むと
取引 ひとつ思い出す

愛を 愛を囁いてよ
例え 嘘でも冗句でも
他の 誰でもない君の
今の 君ではない君の


春秋幾度も 連れ添った
ひさかた振りの 盤上に
駒を並べて 差し出せば
かつりと噛んだ 玉の駒





―――――――
(届かぬ想い)

4/14/2024, 12:57:38 PM


扱いがセンシティブなお題につき、今回はいつものような言葉は差し控えます。
(形にはしたものの、諸般思うところあり、どうしても人の目に触れさせて良い出来にはなりませんでした)

楽しみにしてくださった方がもしいましたら、ごめんなさい。

沢山の♥に本当に励まされています。
いつもありがとうございます。

また次のお題でお目にかかりましたら、難儀な言葉ばかりですが、どうぞお楽しみください。


―――――
(神様へ)投稿パス

4/13/2024, 12:42:10 PM


画布の先 筆を構えて見た瞳が
ぼくを置き去るように細むので
この絵はお終いなんだと悟った

夢の当て事のように君に問うて
穂先は酸欠のようにふらついて
終に思いがけず落とした筆洗に

円く咲いた水縹
天を衝く君の恋






――――
(快晴)



4/12/2024, 11:45:29 AM

居心地よどうぞいかがです

なんて最悪さえも思えまい

つむじに増えゆく白髪やら

果ては

へそくり在り処見つけたや

発見ばかり こどものよう

飽く間もないと 浮き心地

地に這うことはいやがって

鳥のようにもなりきれない

いっそ果てまで舞い飛んで

けたけた笑えば良かろうに

それじゃ肴になりゃしない

呑めもしないで見下ろしや

連なる背中を指差してはて

何を眺む また笑むばかり





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(遠くの空へ)

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