不者

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4/11/2024, 11:47:16 AM

君は僕の世界から
消え去ろうとする

視野に入れれば
くるりと回って
やがてはいつも
背に貼り付いた

掴まれた両肩
難解な指遣い
ときおり拳が
肺を鳴らして

君は君
以外の君を
思い知らせ
ようとする

何も交えず
誰も捉えず

吐息を
なぞり
鼓動を
揃え



―――――――――
(言葉にできない)

4/10/2024, 10:56:53 AM

暗き根を履み
咲いた咲いたと
艶やかに

受話器を下ろす
結い髪に触れ
暖簾端

華に宵
渡世を忘れ
肩身ばかりの

仮纏い
日和に憂かれ
鴻鵠を追う




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(春爛漫)

4/9/2024, 10:54:30 AM


 きっと君は  片眉を吊り上げて
 悪罵を連ね  軽蔑するのだろう

 昨日パフを  舞い上げたときの
 三倍くらい  煙たげな顔をして
       
「無責任過ぎ」 だから言わないよ

 僕にとって  決意の言葉さえも
 君にとって  未知で欺いた虚飾

 愛にとって  誰かなんて幻想は
「人によって」 驕った自他の肥大

 誰かが君を  僕より愛したとて
 君への愛が  彼より劣ったとて
 君がそれを  泣いて悔んだとて

 揺るがない  君は僕を小突いて

「無責任過ぎ」 だから言わないよ





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(誰よりも、ずっと)

4/8/2024, 11:27:42 AM

あるいは、きっと。

あの人が。
蝶のように。
ふらりふらりと。
また、いつものように。
それでいて、また。気まぐれに。

ともすれば。
昼下がりの抜け駆けのように。
朝露の幕間を暖めたように。

ほんの少しの真剣さを帯びて。いつか。
当たり前のように。

この手を牽いて。

掴み処のない貴方を、縺れた爪先で、
細く、
細く。

くすぐるように追い縋るのだと。





思い描いた夢現は、夢現のまま。

はらりと、縁談は、舞い降りて。

それは、確かに。

私の夢想に、成り果てた。





―――――――――――
(これからも、ずっと)

4/7/2024, 11:18:33 AM

彼女の一声が虚ろな雑踏を塗り替え顔色を喪う

一面は朱く照り返し瞼を焼く陰ばかり勿体ぶる

やがてもう直ありふれた夜に呑まれるのだろう

泥む想いが肺の裏辺りに縋って行き場を失くす

他人のように憐れんで西は頬を刺し続けていた





―――――
(沈む夕日)

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