今日は早めにホームルームが終わったから早めの電車で彼と2人で帰った。
タタンタタンと少し心地よい音が電車に響いてそれと同時に少しフラつきそうになる揺れが吊り革とリュックのバックルを軽やかにふらつかせる。それに見惚れていたら彼は何かを思いつき提案するように言った。
「あのさ!」
さっきまでの静けさが一瞬で終わり、周りの学生や小さな子などの視線が一斉に君に向く。
「…晴れたねぇ〜、朝は土砂降りだったのに」恥ずかしいのか、どんどん音量を下げて挙句に聞こえなくなってしまった。
「そぉね。」とすこし周りにガンを飛ばしつつも返事をする。
そんな目で見て楽しいのか。まぁ私もそう言われるだろうが。そんなことはどうでもいい。
私は彼の顔色を確認しようとしたところ、
〈まもなくー、○○駅ー。○○駅ー。〉私達が降りる駅の名前がアナウンスされ、私は置いていたリュックを背負う。彼はそそくさと駅側のドアに向かい、ドアに頭を当てる。本来なら付けちゃいけない三角みたいなピアスが太陽の光に反射して眩く光っていた。電車が停車し、ドアが開く。彼が行ったドアじゃない方が開き私は少し笑いそうになったけど頑張って堪え、降りようとした。
「待って...」リュックの持ち手をギュッと掴んで小声で言った
「待つよ。君が待ってって言ったら。でもね、これで降りないと帰れんよ?」
とキョトンと言うと少しだけ頬を膨らませて「分かった」と言った。私がそのまま彼と手を繋ぎ、電車を降りた。その瞬間JKと思われる声が何か言っていたが私はそれが聞こえないように自分のスマホに挿したイヤホンで
彼の好きな曲を聞かせた。そして電車が発射してくと彼は握っている手をギュッと掴んで俯きながら何かを聞いてきた。「あのさ。今日家来る?」「え?うーんとねぇ…親に聞いてみるね」
と言ってLINEでメッセージを送る。家に私がいないことがそんなに嬉しいのか、すぐにいいよ!!!っていう感じの返信を送ってきた。私は笑いながら
「いいって。あと今日泊まってきな、だってさ。」と言った。
「そっか、良かった。」こっちを見ずに頷き、返事をする。
「先帰っていいかな?早く荷造りして家行きたいんだ!やりたいことあるし〜!」
「いいよ」スパッと即答される。言い方が悪かったか、と後悔しながらも私は走る。
走りながら「いかないで」と聞こえた気がしたけども私は振り向かなかった。
私は急いで荷造りをして自転車を漕いで彼の家に行く。
玄関は開いていて、丁度帰ってきたのだろうかにしてもセキュリティガッバガバだなぁと思いながら家に入る。
でもそこには誰もいなかった。上かなって思いながら階段を登って彼の部屋に行く。
「ごめんね、待たせちゃった…わっ!」入った瞬間、彼は私を押し倒す。
「さっき言いたかったこと、言っていいかな?」
「ひゃ…ひゃい…」あまりの驚きと恥ずかしさに呂律が回らず変な返しになってしまった。
「俺の言いたかったことはね?
今日、ずっと一緒にいよってことなの。さっきも行かないでって言ったのに行ったしさ。
だから、こうすればどこにも行かないでしょ?」
「……/////」恥ずかしくて目をつぶってしまった。私は馬鹿か。
「今日は、このままがいいかな。」と言いながら彼は静かに部屋の鍵を閉めた。
目が覚めれば今は一時だった。明日学校は事情で少し始まる時間が遅い。だから彼はオールするらしい。
私が起きるやいなや
「ごめんね!」と謝ってきたから
「いいよ。だけど、私は絶対離れない。これが証拠でしょ?」私はチョーカーを解き、首元を見せる。
「そぉだよ…///」と照れながら言って目を逸らす。「コラ、目をそらすな笑」
こうやって談笑していたらは私は眠っていたようで翌日の12時に起きて、彼は
「学級委員長とか色んなの掛け持ちしてるから体調崩したっぽいです、ので休むって言ってました」
と先生に言ってくれた。私はぼんやりしながら濁った液に塗れた体操着を洗った。
洗濯機が終わるのを待ちながら私は
「あの時の天気の話じゃなくて言いたかったこと、いや、したかったことってこれだったのか」ズキズキ痛む腰を擦りながらボソッと呟くのだった。
重くのしかかろうとするとても大きな後悔。
こんな筈じゃなかったのに。あの時こうしていればみんな笑顔でいられた筈だ。
という自己嫌悪、後悔。それはある見覚えの人物になって私を追ってくる私はそれを見た。涙が溢れ出て、その場で崩れ落ちそうになる
「もう…やめてよ…嫌だよ……」後ろから迫る人に向かってそう言うだが彼等は、彼女等は私を追ってくる
私はそれに追いつかれそうになったが必死に走った。息が出来ない。喉から鉛のような味がする。
胸が痛い、苦しい。
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
苦しい。死にたくなった。
そう思った時そいつ等は止まった。
何かを持っていた。
あぁ、殺してくれるのだろうか。それならいいのに。
と思っていた瞬間だった。それは私が犯してきた罪だった。
私は腰が抜けた。死ぬ間際まで、今際の際まで
後悔といなきゃいけないのか。ああそうか。
わたしの人生は
罪からの逃亡。
神様への見せ物、その悪役なんだなと。
私はそう思いながら
すっと目を閉じた。
嘘つくことがない今日この頃、です
彼女は突然私に向かって問いかけてきた
「あのさ、私さっき、ほんと久しぶりにあの子と話したんだ。すごい楽しみだった。
─けどね私の思い込み、被害妄想かもしれないけどあの子の態度がちょっと素っ気ないだ。塩対応でさ
私、嫌われちゃったんじゃないかって。
だって、あの子には私以外に好きな人がいるのかもしれないのに…」
私はため息混じりに言う。
「やっぱ、あんたは私にそっくりだね、被害妄想激しいとことか。でも、これは言えるよ。
あの子は君を嫌ってないって。喋らなさすぎて動揺してただけでしょ。」
「そうか、やっぱり。」
「まあこれから幸せになっていくだろうし、少しづつでもあの時を取り戻して行きなよ。」
「そうだね、うん!またあの時を取り戻せるよう、頑張っていくから!」
と言って彼女は手を振りながら走っていった。
私は少し目を伏せながら
「そうだよな…彼には好きな人いるだろうな…そう考えると
……辛い。」
枯葉は、散る前も、散ったあとも、
役に立つ。養分になったりしてね。
私はそんな枯葉を
『隠れた偉人さんたち』
と呼んでいる。
─枯葉─