海喑

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彼女は突然私に向かって問いかけてきた
「あのさ、私さっき、ほんと久しぶりにあの子と話したんだ。すごい楽しみだった。
─けどね私の思い込み、被害妄想かもしれないけどあの子の態度がちょっと素っ気ないだ。塩対応でさ
私、嫌われちゃったんじゃないかって。
だって、あの子には私以外に好きな人がいるのかもしれないのに…」
私はため息混じりに言う。
「やっぱ、あんたは私にそっくりだね、被害妄想激しいとことか。でも、これは言えるよ。
あの子は君を嫌ってないって。喋らなさすぎて動揺してただけでしょ。」
「そうか、やっぱり。」
「まあこれから幸せになっていくだろうし、少しづつでもあの時を取り戻して行きなよ。」
「そうだね、うん!またあの時を取り戻せるよう、頑張っていくから!」
と言って彼女は手を振りながら走っていった。
私は少し目を伏せながら
「そうだよな…彼には好きな人いるだろうな…そう考えると
……辛い。」

3/31/2023, 11:58:44 AM