今日は君と一緒に買い物しに行った。
色んな画材を買ったり、
好きなキャラクターのグッズを買って、2人とも破産したり、
とっても楽しかった。君と別れて家に入って、早速その画材を使ってみたりしていたら
もう11時だった。私はふとこんなことを口に出してしまう。
「こんなに楽しかった今日にさよならはしたくないな。」
と。だけど私は考える。
今日にさよならして、また明日楽しく生きればいいんじゃないか。
そしたら今日という日は、綺麗でまた楽しかったと思えるような思い出にすればいいじゃないか
と、考えると明日が楽しみになってくる。私は机の上を綺麗にして、コップ一杯のお水を飲んで
布団に入る。
今日にさよなら、明日によろしく
私は布団の中でそう言って私は寝た。
─今日にさよなら─
君は驚いた目で僕を見る。そりゃそうだよね。だってここは君の知らないところだもん。
「なんで、俺をこんなとこに連れてきたんだ?」動揺したかのような、震え声で聞いてくる。
「そりゃあ、君が僕のお気に入りだからさ。君が別の女の子と話してるのを見ると君を独占したいっていう気持ちになっちゃってね〜」にまっと笑いながら君のとこに行く。君は諦めた表情で僕を見つめる。
その顔が堪らなくて。
ああ、僕のお気に入りの顔はこんなにも繊細で、壊れやすくて、可愛いんだね。
─お気に入り─
チャイムが鳴る。先生はそれを聞いて、授業を終わらせようと、まとめの文章を黒板に書き始める。
私はふぅ、とため息をつきながらもシャーペンを持ち直し、その文を書き写す。
ちょうど書き終わったところで号令がかかる。ペコッとお辞儀をし、次の授業の準備をする。
と、その時、私は、友達に「誰よりも好きな人っているの?」
と聞かれた。毎日のように聞いてくるのだが、私はいつものように、
「○○だよ!」
と答える。友達は笑いながら「やっぱりそうなんだ!ほんと二人はお似合いだよね。」
と言ってくる。だけど内心では
(誰よりもさ、君を愛してるのだから、君の本当の気持ちを教えてはくれないのかな。)
と思っているのだった。
君は本心を見せない。多分、私や、君の友達といる時は、絶対に見せないだろう。
見せるのは、君が一人の時だろう。それか、君が趣味に走っている時。
だけど私は我儘だから、君に見せて欲しいとただずっと思う。
だって、何回も言ってるけど、
君のことを誰よりも愛してるのだから。
─誰よりも─
私がリビングでファッション雑誌を読み漁っていた時、ポストに何か入ったような気がして、
ポストを確認しにいくそこには手紙が入っていた。私はあの時の返事だろうか、それは前に貰ったから違うか…
と思いながら封を開ける
『20歳になった私へ
小説家として、頑張ってますか?生活には困ってませんか?
恋人はできましたか?私は出来そうにありません。出来てたら、嬉しいです。
昔の事は覚えてますか?クラスメイトの事とか、先生のこととか。
覚えてなくていいんですけどね─────』
私は途中まで読んでいたが、もう見たくなくなった。ビリビリに破って捨てようかと思ったけど
流石にやめよう。昔の自分がなんか可哀想だ。
目をちょっと開けて、続きを見る
『君はこれを見るの、嫌になってると思います。だって、今の私ですら、見たくないのだから。
それでも、これだけは聞いて下さい。
「運命の人を、見捨てるな。見捨てられても、遠くから、運命の人の幸せを祈っていろ。」
「本心を見せない人かもしれない。闇深い人かもしれない。だけど、その人は」
「お前に真剣に向き合ってくれる人だ。」
「死ぬまで愛していろ。」
海暗より』
私はそれを見て、クスッと笑ってしまった。合ってるな。
10年後の私から届いた手紙は
自分の運命の人への接し方のアドバイスなのかもしれないね。
捨てるのはやめた。私はそれを宝物にでもしようかな。
─10年後の私から届いた手紙─
バレンタイン当日。私は胸をドキドキ鳴らしながらラッピングをする。
作ったのは塩キャラメル。君は甘すぎるのは苦手で、塩っぽいのが好きだって言ってたから、
何回か失敗しながらも私は何とか5個作ることが出来た。
君の好きな色のリボンを結んで、メッセージカードを添えたら、完成!
私はふうっと一息ついて、紙袋にそれを入れて、君の家に向かう。
今日は少し寒いから、マフラーを巻いて外に出る。
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私は少し震えながらインターホンを押した。
「はい」という声が聞こえ、ドアが開く。私はドアの前でちょこんと立っていた。
「どうしたの?あ、今日バレンタインデーだから、友チョコでもくれるんか?」
と君は言う。私は頬を膨らませ、
「むー、違うってばぁー!」と言って、紙袋を持っている手に少しだけ力をいれてしまう
「そうなんか、んでもここで立ち話っていうのもなんだからさ、家入ってけよ」
と言って君は私を家に入れてくれる。確かに、今日は寒いし、別に大丈夫なんだけど、
二人きりになったって事だよねぇ!あぁ…顔火照ってるよぉ〜…
「お前さ、顔赤いけど大丈夫か?」
と言って顔を覗き込んで来る。
「ひゃっ!?」私は意味不明の奇声を出して驚く。
私は心の中で深く深呼吸をし、少しキョドりながら
「うぇーっと、その…バレンタインだし、私これ作ってきたんだ。」
と言って、紙袋を手渡す。私はマフラーで顔を隠して、恥ずくて顔が赤いのがバレないようにしてた。
「おっ、塩キャラメルか、ありがと海暗」
と君は言う。私は笑いながら、
「どういたしまして」と言うと、
「それじゃ!おじゃましました!」といって君の家から出る。
私/俺の胸は君の/が家から出ていったあともずっとうるさく鳴り続けていた。
─バレンタイン─