海喑

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私がリビングでファッション雑誌を読み漁っていた時、ポストに何か入ったような気がして、
ポストを確認しにいくそこには手紙が入っていた。私はあの時の返事だろうか、それは前に貰ったから違うか…
と思いながら封を開ける
『20歳になった私へ
小説家として、頑張ってますか?生活には困ってませんか?
恋人はできましたか?私は出来そうにありません。出来てたら、嬉しいです。
昔の事は覚えてますか?クラスメイトの事とか、先生のこととか。
覚えてなくていいんですけどね─────』
私は途中まで読んでいたが、もう見たくなくなった。ビリビリに破って捨てようかと思ったけど
流石にやめよう。昔の自分がなんか可哀想だ。
目をちょっと開けて、続きを見る
『君はこれを見るの、嫌になってると思います。だって、今の私ですら、見たくないのだから。
それでも、これだけは聞いて下さい。
「運命の人を、見捨てるな。見捨てられても、遠くから、運命の人の幸せを祈っていろ。」
「本心を見せない人かもしれない。闇深い人かもしれない。だけど、その人は」
「お前に真剣に向き合ってくれる人だ。」
「死ぬまで愛していろ。」
海暗より』
私はそれを見て、クスッと笑ってしまった。合ってるな。
10年後の私から届いた手紙は
自分の運命の人への接し方のアドバイスなのかもしれないね。
捨てるのはやめた。私はそれを宝物にでもしようかな。
─10年後の私から届いた手紙─

2/15/2023, 10:57:45 AM