私はコミュ障だ。
感情が表せられないのもそのせいなのかもしれない
そんな私は街に行く。
新発見で驚いた。
家にひきこもっているだけだったから世界が全て
新鮮に見えた
ああ、街というものはとても素敵なものなんだな。
何気ない会話を君としていた。その時ふと私は思った。
優しさっていうのはなんだろうと
私は君に聞く。
そうすると君は黙り込んだ。
そして君は考えついたのだろうか、目を見開いて、キラキラさせる
「俺が思うにね、優しさって海夜のことだと思うんだ!」
「え?そんなことないよ?私はそんなに友達もいないし、感情表現できないし……」
「行動だよ。海夜の優しいところは」
「行動は優しさっていうのかな……」
「人に対して温かく接せることも優しさっていうと思うんだ。だから、海夜のことだと思ったんだ」
「そっか、ありがと教えてくれて。だけどね」
「だけど?」
「君も、優しいよ。」
「あ、ありがと……」
少し照れる会話をしていたのだった
ー優しさー
真夜中の12時を指す、時計の針
私はその針をじっと見つめながら起きていた
寝たくなかったから、寝ないでいると、
何故か色んなことをしたくなり、それを全て終えたのが冒頭の私だ
暇になったし寝るかと思ったが、眠気がなく、目がギンギン状態だから寝れるはずがない
一人で考えていたらインターホンが鳴る
…強盗か?
と思ったが、わざわざインターホンを鳴らす強盗がいてたまるかと思い、ドアを開ける
そうすると、君がいた
「…寝ないの?」
「いや、寝れんから来ただけ。迷惑なら帰るけど」
「私も暇だったからどぞ入って」
といって、彼を家の中に入れる。
すぐさま私はリビングの電気をつける
「いや、なんも用意してないけど寛いでいってね」
「おk」
というと君は持っていた黒いリュックからペンタブとタッチペンを取りだして言う
「なあ、海夜のことモデルにして絵描いていいか?」
「別に構わないけどさ、どうしてなん?」
「さっきまで考えてた絵があるんだけどさ、この絵の主人公となるやつは海夜が一番だと思ってさ」
「そう。」
「ああそうだ」
「どんなポーズすればいいの?」
「振り返ってるポーズ。」
「オッケー。」
といって、私は振り向いたポーズのまま、小説のことだったり、色んなことを考えていた。
それから少し時間が経った。
「オッケ、ありがと。楽にしていいよ」
「んー。」
「見る?」
「お言葉に甘えて見ましょうかね」
といって、タブレットを覗き込む
そこにいたのは、深夜、いや、ミッドナイトを楽しむ私だった
「すご……」
「嬉しいな。」
「お礼と言っちゃ過言かもしれないけどこれ。」
といって、リュックから何かを取りだしてきた。
「うわ重っ」
君は体勢を少し崩しながらもそれを見せてきた
「マネキン……?」
「海夜はよく服とか考えたりすんじゃん。だから、それの参考になればいいなと思って。」
「……ありがと」
「喜んでもらえて何よりだよ。それじゃ、俺はもう帰るから。じゃあな」
「うん。じゃあね。」
と言って君は去ってゆく
私は貰ったマネキンを使って衣装を考える。
それから小1時間がすぎた頃、ようやく完成した。
その作品に名前をつけるとするのなら、
「Midnight」
かな。
ーミッドナイトー
君は私が
「君がいなくなるのを想像するだけで胸が痛いんだ。聞いておくけど、あなたは私から離れていっちゃうの?」
と聞いた時、君は優しい声で
「ううん。俺は絶対海夜からは離れないよ。」
と言ってくれた。
だけれど、なにかの都合であなたと離れることになったら、私はどうなるだろう
私の最愛の人が、目の前からいなくなってしまう
そんなことを想像するだけで、吐き気がする
私は、安心できないのだろうか。表面的には安心しているのかもしれない
けれども私はその傍らで不安を抱えているのだろう
私は元からネガティヴ感情に染まりやすいんだ。
だから君がどんなに優しい言葉をかけてくれても、私は君が離れていくようなことを考えるかもしれない
私の中では、安心と不安は
紙一重なのかもしれないね。
学校からの帰り道
私たちは好きなキャラの話、絵の話をしながら歩いていると夕日が綺麗だということに気づいた
私はブレザーのポケットに入れていたスマホを取り出そうとした時、
君は私のことを急に撮ってきた
「急にどうしたのさ!?」
「いやさ、今日、夕日すっごいきれーじゃんだから撮っちゃった」
「別にいいけどさ、逆光だし、普通に撮った方がいいでしょ、」
と言ったあと、君は
「だからこそいいんだ。俺の目で見た光景を、こうやって、写真にとっておこっかなって思って。
あっ、気味悪いんだったら消すし、なんならもう海夜のこと撮らんよ?」
「ううん、大丈夫。実をいう私も君のこと撮ろうとしちゃったからね、えへへ、」
「そうなんか、なら」
といって、君は私のことを片腕で君の方へ寄せ、
「一緒に、撮ろーよ。」
といった。私は困惑していたが、すぐに
「うん!」
と言った。
「はい、チーズ!」
私は満面の笑みを浮かべる。
撮り終わった後、君の耳が少し赤く染ってるのが分かった
君はその後、その写真を送ってくれた。
逆光が、どこか味気を出していて、その写真は、私の宝物になった。
ー逆光ー