海喑

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真夜中の12時を指す、時計の針
私はその針をじっと見つめながら起きていた
寝たくなかったから、寝ないでいると、
何故か色んなことをしたくなり、それを全て終えたのが冒頭の私だ
暇になったし寝るかと思ったが、眠気がなく、目がギンギン状態だから寝れるはずがない
一人で考えていたらインターホンが鳴る
…強盗か?
と思ったが、わざわざインターホンを鳴らす強盗がいてたまるかと思い、ドアを開ける
そうすると、君がいた
「…寝ないの?」
「いや、寝れんから来ただけ。迷惑なら帰るけど」
「私も暇だったからどぞ入って」
といって、彼を家の中に入れる。
すぐさま私はリビングの電気をつける
「いや、なんも用意してないけど寛いでいってね」
「おk」
というと君は持っていた黒いリュックからペンタブとタッチペンを取りだして言う
「なあ、海夜のことモデルにして絵描いていいか?」
「別に構わないけどさ、どうしてなん?」
「さっきまで考えてた絵があるんだけどさ、この絵の主人公となるやつは海夜が一番だと思ってさ」
「そう。」
「ああそうだ」
「どんなポーズすればいいの?」
「振り返ってるポーズ。」
「オッケー。」
といって、私は振り向いたポーズのまま、小説のことだったり、色んなことを考えていた。
それから少し時間が経った。
「オッケ、ありがと。楽にしていいよ」
「んー。」
「見る?」
「お言葉に甘えて見ましょうかね」
といって、タブレットを覗き込む
そこにいたのは、深夜、いや、ミッドナイトを楽しむ私だった
「すご……」
「嬉しいな。」
「お礼と言っちゃ過言かもしれないけどこれ。」
といって、リュックから何かを取りだしてきた。
「うわ重っ」
君は体勢を少し崩しながらもそれを見せてきた
「マネキン……?」
「海夜はよく服とか考えたりすんじゃん。だから、それの参考になればいいなと思って。」
「……ありがと」
「喜んでもらえて何よりだよ。それじゃ、俺はもう帰るから。じゃあな」
「うん。じゃあね。」
と言って君は去ってゆく
私は貰ったマネキンを使って衣装を考える。
それから小1時間がすぎた頃、ようやく完成した。
その作品に名前をつけるとするのなら、
「Midnight」
かな。
ーミッドナイトー

1/27/2023, 8:44:33 AM