一人だと分かち合うことはできない。
例えば、あなたの目の前で盛大に転んで笑いあうとか。
一人だと自分のバカさに嫌気がさして惨めになっちゃうところだけど、あなたがいたから笑い話になった。
例えば、あなたが辛い時、私が辛い時に、慰めあったりとか。
一人だと自分を自分で慰めるなんて難しいけど、あなたがいたから心が軽くなった。
嬉しいことも、悲しいことも、楽しいことも、辛いことも。
誰かと分かち合うことでプラスに変わることがある。
誰かじゃなくて、あなただと、更にプラスに変わることができるんだ。
大好きなあなたがいたから、毎日が幸せで楽しくて生きていられました。
先に逝ってよまうけれど、あっちであなたがくるのを待ってますよ。
【あなたがいたから】
高校生にもなって、相合傘なんてできない。
教室の窓から、しとしとと降っている雨をみて俺はそう思った。
仲良しのキャッキャいってる女子同士ならまだしも、男同士なんて様にならないし、異性とならば冷やかしの的だ。
雨は止まないかと雨雲レーダーを見るも、残念なことに三日間くらいは降り続くらしい。
傘を忘れた。弱ったものだ。夜から降ると言ってたはずなのに。
今は五時限目。ご飯も食べていい感じの眠気の中、ぼんやりと雨を眺めて、なんとなくノートに目をうつす。
ノートのすみに、傘のマークを描いた。
小学生時代に片方に自分の名前、片方に好きな人の名前を書くあれだ。
実際には相合傘なんて無理だけれども。
俺は相合傘の左側に自分の名前を書く。もう片方に書く名前は……。
最初に気にしていたしとしと降る雨よりも、今は相合傘の右側の名前の人を気にしている俺だった。
【相合傘】
夜空を見ることが好きだ。
特に晴れていて雲がなく、星が瞬いている空は尚更に好きだ。
空気が澄んでいて、余計な明かりがない、大自然で大の字に寝転んで見る夜空は格別だ。
今は夏場に近いので、夜遅くまで見ていられる。たまに虫がよってくるのがデメリットだが、そんなことも少しは忘れられる。
今日もいつも通り、夜の散歩がてら夜空をみていた。
「あ! 流れ星!」
男だが、何歳になっても流れ星にはテンションがあがる。
もちろん、お願い事を三回唱えることもする。
一瞬の出来事なので、お願い事は決めていた。
「金! 金! 金!」
これなら三回唱えられることが多い。
そして、今回は唱えられた。唱えられたどころか。
「金金金金金金ぇ!?」
流れ星が消えない。
消えないどころか近付いてきて……
「ぇええ!?」
足元にどでかい穴があく。もの凄い衝撃と音が同時にした。
まさか、流れ星が足元に落下してくるとは。
【落下】
20世紀に思っていた21世紀は、車が空を飛んでたり、宇宙旅行があたり前だったり、タイムマシーンができているものかと思っていた。
実際の21世紀は、まだ空を飛ぶ車は実用化してないし、宇宙旅行は金持ちの遊戯だし、タイムマシーンなんて夢物語だ。
21世紀に思っている22世紀は、コールドスリープしたり、地球じゃない所に人類は移動し始めたり、ロボットと共存していると思っている。
でも、本当に22世紀になったら、そうなっているだろうか。
21世紀の時と同様で、何現実味のないことを言ってるんだと思うだろうか。
未来は誰にもわからない、今生きてる人類が作り上げるものだから。
もしかしたら、戦争で様々な国が消えているかもしれない。もしかしたら、天変地異で地球そのものがなくなっているかもしれない。もしかしたら、人類事態が消え去っているかもしれない。
何がおこるかわからない、どう転ぶかはわからない。良くも悪くもなりうるのだ。
過去は変えられないけれど、未来は作れる。
未来は、わからないものである。
【未来】
去年の今頃は、まだ流行り病が流行してて、いつまでマスク生活をしなくちゃいけないのだろう、そう思っていた。
一年前、その一年前と今では、随分と対応が変わってきた。
何年前かわからなかったけど、マスクをしていなかったあの時代にまで、今年は戻ってきた。
もうあの一年前には戻りたくないな。
経営が難しくなった職業も多かったし、あれこれ試行錯誤を重ねた日々。
今の一年は、来年振り返った時にどう思うだろうか。
今みたいに、一年前はこうだったね、と笑いながら話せているだろうか。
話せていれればいいな。
【一年前】