喜村

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4/24/2023, 10:12:40 AM

 赤信号の時は止まりなさい、生き物は殺してはいけません。
そんなルールは当たり前、小さい頃から教わってきた。
 人を叩いてはいけません、弱いものには優しくしましょう。
親や先生に耳にタコができるくらい聞かされていた。

 ルールを守らなければいけないのは分かっている、そのルールや思いやりがなければ、あっという間に世界が混沌としてしまうから。

 でもさ、この目の前にいる猫。
 赤信号なのに道路のど真ん中歩いているし、鳥を捕らえて見せびらかしてくる。
人間世界のルールを意図も容易く犯す。
 人間や他の動物にも猫パンチしてくるし、弱い者だと思うと態度でかいし、思いやりっていうのも欠けていると思う。

 だけれども、ルールや思いやりが欠如していても、こんなにも和むの。癒されるの。なんでだろうなぁ。
 私は日向ぼっこをしてあくびをする猫を見て笑顔でそんなことを思っていた。
 ルールは破るためにある、という意見にも賛同できないけれど、それを堂々と破って生きていけるこのこ達は、控えめに言って羨ましい。


【ルール】

4/23/2023, 11:19:04 AM

 今日は寝坊をしてしまった。
別に仕事でもないので、寝坊したところで怒られることもないのだけれど、せっかくの休みが、自分時間が削られるのが、なんとなく惜しいと思っただけである。

 仕事の時はきびきびとしているので、休みの時はリラックスしたい。
そうでもしないと、心模様が乱れてしまうから。

 今日の心模様は、出鼻を挫かれたので現在曇り模様。
今から映画でも見に行って、マッサージとかで揉みほぐしてもらって、心も体も軽くなって、曇りから晴れになるといいなぁ。
 まだ布団の中で本日のタイムスケジュールを組み直す私であった。


【今日の心模様】

4/22/2023, 12:16:26 PM

 あたりは真っ暗、暗闇だった。
そんな中に忽然と、遠くの方で光が揺らめいていたら、みんなはどうする。
 怖くて寂しくて何もわからない黒の世界に、ぼんやりと青白く光るものや、ゆらゆらと赤い光が見えたら、その不安を打ち消してもらうために、近づいてしまうだろう?

 私は虫である。
明るいものに飛び付くことがある。

 店前の青白い光にアタックして、全身に高圧電流を流されてその場に倒れた仲間をみた。
 キャンプファイヤーの明るさに魅了されて、体が燃えて消えた仲間をみた。
 たとえ間違いだったとしても、私たち虫の『さが』である。
行かなきゃよかった、と後悔しても、そういう性質なのだから仕方がない。

 最期に見えた光は、闇の中の一時の希望の光で、痛いや熱いや苦しいよりも、これが綺麗で残酷な光なのだな、と思った。
思ったと同時に、意識がなくなった。


【たとえ間違いだったとしても】

4/21/2023, 12:05:07 PM

 冬場は窓ガラスに結露のためか、やけに水滴がついていたはずなのに、最近はその雫も見なくなった。
 春から夏場は梅雨の時期も重なり、傘から滴る雨粒を鬱陶しく憎たらしく、その雫を見ていた。
 気がつけば夏も終わり秋、朝露なんて言葉がある白露や寒露の時期になっていた。

 窓ガラスについた雫も、傘から落ちる雫も、草花に降りた雫も、同じ水滴なのにそれぞれの味がある。

 今、頬を伝ったこの雫、これにはどんな味があるだろう。


【雫】

4/20/2023, 11:37:44 AM

 君がいれば、もう何もいらない、なんて言葉があるけれども、あれは物の例えだとしても、飛躍しすぎではないか。
 君がいたって、熱烈ラブラブ期間中ならば、恋は盲目でその時は確かに、君がいれば、他はいらなくなるかもしれない。
でも、その恋は永遠ですか? その魔法が解けることがあるってことは、視野に入ってますか?
 もし恋人ではなく、我が子だとしても、いつまでも我が子は幼子のままだと思ってますか? いつか一人立ちすることを考えてますか?

 ある特定の食べ物だけあれば、何もいらない、というのは、他の食べ物があってもそれに手が延びる、ということであって。
 人の場合も同じように使ってみるけれど、人には気持ちが存在するもので、何もいらない、なんて固定はしないほうが身のためだと思うのだ。



【何もいらない】

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