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3/6/2026, 11:07:30 PM

「ぼく達は一生友達だよ!」

小学4年生の時、幼馴染とタイムカプセルを埋めた。
幼馴染の家の庭に、お菓子の缶に写真や宝物を詰めて。
当時は鼻垂れ小僧だった俺も「オマエはオレの一番の友達だ!」なんて純粋無垢に小学生を満喫していた。

その幼馴染はタイムカプセルを埋めた数ヶ月後に転校してしまった。

両親に理由を聞いた時、最初は「親の仕事の関係で引越さなければならなくなった」「いつか戻ってきてくれる」と教えてくれていた。
俺はそれを信じ、あいつが帰ってくる事を夢見ていた。
しかし実際は「借金を母親に押し付けて父親が蒸発、泣く泣く家を手放す事になった」と、俺が中学生の時に真実を打ち明けたのだ。思考が幼稚な俺が成長するまで、隠し通してくれたのだろう。


「僕のこと、忘れないでね!」

服がびしょびしょになるくらい泣きじゃくりながら別れを告げた幼馴染が頭をよぎる。
忘れるわけないのに、忘れたくないのに、時間というのは酷なもので歳を重ねるごとに記憶の中の幼馴染の顔はぼやけていった。


そして今、現役大学生となった俺はふと幼馴染の家があった場所に目を向ける。
今はもう新しい家が建ち、そこには若い夫婦とその子供が住んでいる。

タイムカプセルはまだ埋まってるだろうか。
もうすでに掘り起こされてしまっただろうか。
他の人の所有地となってしまった今、タイムカプセルの所在はもう確認できない。
お願いすれば庭を掘り起こす事を許可してくれるかもしれないけど、その選択は俺には出来なかった。

だってあのタイムカプセルは、あいつと一緒に掘るって決めたんだから。
あのお菓子の缶がある限り、俺達の絆は解けないって信じてるから。

だって俺ら、これからも一生友達だろ?

3/5/2026, 2:00:19 PM

「は?なんでお前いんの?」
「私居たらなんか悪い?」

私とコイツの関係性に名前を付けるなら、犬猿の仲。
廊下ですれ違う時とか、教室に遊びに行く時とか、どういう状況であれ顔を合わせればとにかく喧嘩。
その場で思いついた語彙をただ投げるだけの稚拙な喧嘩。

何がきっかけで仲が拗れたのか、正直覚えてない。
どうせ大したことない事で意見が食い違って、それからお互い気に食わない奴認定しただけの話。
最早腐れ縁だ。コイツとは切れない何かしらがあるんだろう。

「お前この科目苦手だろ」
「友達が選んだから私も選んだだけだし」
「へいへい、どうせ途中で居眠りして泣きながらノート見せて〜って周りにせがむんだろ?」

どうやら選択科目が被ったらしく、意図しない形で出くわすことになった。
ニヒルな笑みを浮かべながら悪態をつくこの男を他所に空いている席を探す。

その時だった。

「……っあ」

適当にキョロキョロしていたせいで怠った足元の確認。
机の脚につま先をひっかけてしまい、身体が前に倒れていく。そのまま床に顔面ダイブするところまで予想してしまい、思わず目を閉じた。


しかし、衝撃は何故かお腹に入った。
倒れたことによる衝撃ではない。何かでお腹を締められている感覚。そしてそのまま引き寄せられる。
思わず目を開けお腹を確認すると、誰かの腕だった。

「あぶねぇだろ、ちゃんと前見ろ」

いつもなら、まぬけな事した私を見て笑うくせに。
「ダッセー!」って大爆笑するくせに。
なんでこういう時は助けるの。

そっと腕を外しスタスタと席に戻るアイツ。

いつもみたいにからかってくれたら「笑うな」って噛み付いてやるのに、そんな態度で返されると調子が狂う。
今だって、アイツに目が釘付けだ。

私の視線に気付いたのか、顰めっ面でこっちを見てくる。いかにも「なんだよ?」と言いたそうな顔。
普段なら一言物申してるけど、今日はなんか別の言葉を送ってやりたい気分だ。

きっとこれは気の迷い。
でも、伝えなきゃいけない気がして。

「ありがとう」

そんな事を言われると思ってなかったのか、アイツは鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた。
その反応に私は満足感を味わった気がした。

たまには、こういうのもアリじゃない?

3/5/2026, 5:33:06 AM

「なぁ!数学の課題写させてくんね?」
「わりぃ、ちょっとだけペン貸して」
「これ職員室まで運ばなきゃいけねーから手伝って」

君の急なお願いを、私は何回叶えてあげたかな。

馬鹿だし阿呆だしすぐ突っ走っちゃう能天気な男。
でも変なところで真面目でお人好し、周りから愛されてる男。

私だって、そんな君が好きだし。
大好きな君がお願いするから、聞いてあげるんだよ。
それが、私なりの君へのアイラブユー。

「なぁ、教科書見せて」

たとえそれが『こいつなら何言っても聞いてくれる』みたいな悪意だったり計算尽だったとしても

「また?仕方ないなぁ」

結局、惚れた弱みには勝てないんだもん。