NoName

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3/27/2026, 2:15:53 AM

あの子が羨ましい。
私の右ななめ前の席にいる茶色ががったふわふわの髪をしたあの子。
目がくりくりで、笑顔が可愛くて、笑顔じゃなくても愛嬌のあるかわいい顔立ちをしてて、スポーツがとても得意で、だけど少し…いや、だいぶ抜けてて、感情がよく出ていて、みんなと仲良くしてて…。私とは大違いだ。
勉強は苦手らしいけど、授業中のディスカッションもみんなが話しやすいようにこっそり気配りしてくれている彼女の優しさを私は知っている。
向こうから話しかけてくれることもあるけれど、元々人と接するのは苦手な上毎回緊張してしまいうまく話せない。全然話せないことにあの子も困って沢山喋ってくれているけれど、なにか話さないとと思うほど言葉が出てこなくなってしまう。きっと向こうにはオドオドして面白くない子だと思われているのだろうな。
はぁ…
────────────────────────
あの子が羨ましい!
私の左ななめ後ろにいる、綺麗な黒い髪をしたあの子。
切れ長の目がとってもかっこよくて、綺麗な顔立ちをしてて、みんなが浮かれて騒がしくってもいつもクールで、テストも毎っ回学年1位で、難しそ〜な本もいっぱい読んでて、仕事も完璧にこなしてて…私とは全然違う。
運動はちょっと苦手らしいけど、それでも真面目に一生懸命取り組んでいる姿は、完壁なあの子の隙を感じる。
何回か話しかけたこともあるけど、毎回緊張しちゃって余計にペラペラと喋ってしまう。向こうも困ってるのも分かるけど、その場ではその沈黙を更に埋めることしか出来ない。向こうにはうるさくて邪魔だ〜とか思われてるのかなぁ…
はーあ…
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あの子みたいになれたら、仲良くなれるのかなぁ…

➹ないものねだり

1/11/2026, 8:10:23 AM

「うぅー寒い…でも……」
冬至も過ぎ新年になったというのに更に寒くなっていくこの気温を恨みつつ、のそのそとコタツから這い出る。
…そう(と急に言われても分からないだろうが)、一生に一度しかない成人式──もとい二十歳の集いの準備をするためにだ。
「…そういえばあいつも来るのか。」
あいつ、とは保育園の頃からの幼馴染である佐原なつみのことである。ちなみに現在は違う大学に通っている。
「2年ぶりか…久しぶりだな」
なつみとの思い出は基本、なつみが俺にべたべた付きまとってそれを俺が適当にあしらうというものばかりだった。まぁ、それでもなんだかんだ幼馴染。面倒とは思いつつも勿論嫌いではないので、小中高3年間の修学旅行では毎回同じ班だったり(無理やり)ほぼ毎日共に登下校したり(無理やりその2)はしていたのだが。
「…って、そろそろ行かないと!?」
ちょっと回想に浸りすぎたか……じゃなくて!!!急がないと!!
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「よぉ〜翔、久しぶり〜」
「おぉっ!樹じゃ〜んおっひさー!」
「お前高校のときよりでかくなったか?」
「そうか?…でもたしかに目線の高低差が大きくなった気がするな笑」
「うっせぇよww」
昔からの友達、昔と変わらない会話。まるで過去に戻った気分になる。そんな風にまたもや思い出に浸っていた時間は
「あ!樹だぁぁー!!でけぇ!!!」
と、相変わらずの爆音で遮断された。
「久しぶりだな、なつみ」
「ね〜!てかまじで樹でかすぎない?前はこーんなだったのにね〜」
「そんな小さかったことねぇよ」
なつみはそういいつつ以前の如く抱きついてきた。着付けも髪の毛崩れるぞ。
「こうしてると懐かしいねぇ〜」
そういいながらなつみは、今までと同じように、でも今までよりも少しだけ大人びたような笑顔をこちらに向ける。
「…お前なんか前より可愛くなったか?前より…こう……?」
「きゃー!今までそんなこと言ってくれなかったのに!離れた期間のおかげかな?」
「うっせぇよ…」
でも、たしかに今までそういうことは一度も言ったことがなかった。思春期の恥ずかしさもあったが、幼馴染だったこともあってあまり意識をしていなかった気がする。そう思うとたしかに離れた期間がそうさせたのかもしれない。
「でもなんでだろ〜。うーん…」
「…あ!彼氏が出来たからかも!!」
…えっ?
「カ、カレシ…?」
「ふっはははww樹のそんな顔初めて見たww」
「だ、だって…」
そういえばなつみも、勿論のことながら俺も、高校生まで一回も恋人なんてできていなかった。
まぁ、当たり前だ。2人ともお互いとずっと一緒にいるのだ。付け入る隙もなかったのだろう。
だから、当然今も恋人なんていないと思っていた。なんなら今日あっちから抱きついてきたし。
「あ、あいちゃんだ〜!樹またねぇ〜!!」
「あっちょっ……」
…なんなのだろうか、この喪失感は。なつみのことを恋愛対象だなんて思っていなかったはずだ。というか別に今も思ってはいない。
「娘を取られた、みたいな感情になってるのか…?」
いや、だとしたらとんだ厄介人間だ。ただの幼馴染だってのにこんな感情を抱くなんて迷惑すぎるだろ。じゃあ何故……
「自分がなつみちゃんの中の1番じゃ無くなったからじゃないか?」
「…え?てか翔どこいってたんだよ。」
「お前がなつみちゃんと話してたから二人で話せるようにどっか行ってたの!こんなこと言わせんなよ!!」
「別にそんなことしなくていいのに…じゃなくて。なんて言った?」
「んぁ?だから、自分がなつみちゃんの中の1番じゃ無くなったからじゃない?って」
「1番……」
そう言われると腑に落ちた。確かになつみ、他の友達よりも俺の方が一緒にいる時間長かったし…。
「まっ、子供くせぇ嫉妬みたいなもんだろ!」
「えぇ…なんかそんな風にまとめられると、俺、すごくめんどくさいやつじゃない?」
「ん〜、まっ!そんなこともあるだろ!気にせず次行こうぜ!!」
「…それもそうだな。」
執着していたのは、なつみより俺の方だったのかもしれない。

➹20歳

11/15/2025, 3:29:31 AM

「───約束だよっ!」
「うん!!」


あれから何年がたっただろうか。
何回も何回も心の中で反芻していたあの“約束“は、だんだんと時間も余裕も減っていく日々の中でとっくに忘れてしまった。
きっと今になっては些細すぎて笑えてしまうような、そんな小さな約束なんだろうけど…それでもあの子との大切な思い出の1つだった。
「これが、大人になるってことなのかな…」
だとしたら、大人になんてなりたくなかったな。

➹ささやかな約束

9/19/2025, 11:34:35 AM

秋は嫌いだ。
だってアイツが好きな季節だったから。
だってアイツの好きな色が橙色だったから。
だってアイツの好きな植物がモミジだったから。
だってアイツが、俺の前からいなくなった季節だから。
「あの、バカぁ…ッ」

秋色の目をしたアイツは、もう戻ってこない。

9/17/2025, 9:10:40 AM

この気持ちの答えは何なのだろうか。
数文字に収まるわけもない、とっても複雑で、それでいて単純明快な気もするこの気持ちの正解は…。
好きも嫌いも酸いも甘いも苦いもまるっと混ざったような、この気持ちの解答は……。
「大人になったら、分かるのかな…。」

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