彼とわたしと

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9/5/2024, 11:38:56 AM

 “貝殻”の外側は所々汚れていて、欠けたりしている。内側は、すごくきらきらしていて、そして何より、太陽の光が当たるともっともっと美しく輝く。誰をも魅了させるような、美しい光を跳ね返す。

 今は“貝殻”として魅力を語ったけれど、人間もある意味同じようなものだと思う。見た目が優れていなくとも、内側、つまり内面は優しくあったり、おもしろくあったり、人それぞれの美しさを秘めているのだ。そしてその、誰をも魅了する美しさを放つためには、また他の誰かが必要なのだ。自分の良さを改めて理解させてくれる存在が、必要なのだ。

 “貝殻”も私たち人間も含めた全ての生物は、何のために生きてるかも分からず人生を終えていくのが使命だ。けれど今日、何のための人生か、少しだけ分かった。自分ひとりの人生を華やかにするのも目的ひとつだけれども、やはり本当に必要なことは、お互いを照らし合えるような存在を見つけることだったのだろう

9/4/2024, 10:14:42 AM

         “きらめき”
 久しぶりの“きらめき”を見た。昔を思い出した。
昔と言っても、たった一年前のこと。一年前は君が優しくて、甘えてきて、すごく可愛かった。今でも可愛いけれどね。君のことが恋愛的に好きだった私は、少しでも愛情表現がしたくて「今日は月が綺麗だよ」と自然に言ってみせることが増えた。君は「そうだね」と聞き流すだけだったけれど、それも愛おしかった。

 あれから一年たった今、君は私に対する態度が冷たくなって、私は君への愛情が冷めてきた。そのはずだったのに…、私は今、久しぶりの“きらめき”を見ただけで君との思い出に浸ってしまった。きっと私は、出会ったその瞬間から君に一目惚れしてたんだろうし、本当は今もずっと好きなままだったのだろう。もう仲良しに戻れない、なんだか複雑な女子高生間の友情。

久しぶりに、「今日は月が欠けているよ」と君から言ってきてくれた、あの夜の、月と星を見た。

9/4/2024, 3:00:15 AM

“些細なことでも”彼を知ると、幸せな気持ちになれる

また新しい彼を知れたことが。そして、その新しい彼をいつか見たいという、願い事を想う時間が。

きっと、今にも零れ落ちそうな私の瞳の水滴は、そんな愛しい愛しい彼のせいなのだ。思うようには近付けなくて、けれど声は届いて、あともう少しで触れられそうなのに離れていってしまう、そんな彼のせい。

けれど、いつも私の心に安心とときめきを与えてくれるのは、いつだって彼なのだ。この胸の高鳴りも、寂しさも、全部全部、彼のせい。

9/2/2024, 12:07:25 PM

         “心の灯火”
 本来は、その物事を思い出すと心がほかほかするとか、幸せな気持ちでいっぱいになるとか、そういうことだろう。けれど、私は違う。テスト期間に彼のことを思うと「絶対、彼の大嫌いな100点を取ってみせるんだから」と、心が燃えたぎる。「見てなさいよ!!」と、強く思う。

 あぁ…そうだな、私はこんな横柄なわがままを今日も並べてしまったけど、本当は彼に私を見て欲しくてしょうがない、ただそれだけだったんだろう。結局わたしは今日もまた、彼のことを思えば心がほかほかしてしまって、私ばかり幸せな気持ちになって…。

 いつ、どんな気持ちが彼へと燃えたぎろうとも、私の“心の灯火”は彼だけなのだ。つまり、怒りのその先も、全ては愛なのだ。

9/1/2024, 10:26:02 AM

        “開けないLINE”

私の場合は、精神的にストリームのファイルが開けなかった。いわば、彼からの“開けないファイル”。

共有されたファイルを開くと、主催者のみ、最終閲覧が誰なのかを把握できる。わたしは彼のことが大好きなため、隙間時間でさえも授業プリントを閲覧したい。(あくまでもこれは下心ではなくただの学習意欲の高い生徒)けれど、最終閲覧が誰か、わかってしまうのだ。常に私が閲覧していることが、バレる。そしてここでなんと驚きの情報がある。最終閲覧者に加えて、最終閲覧時刻も把握できるということがわかってしまった。つまり、彼の共有ファイルの最終閲覧はいつも私だし、定期的に閲覧時刻も更新される、死ぬほど気持ちの悪い生徒が、存在しているということだ。

一度でもファイルを開いて仕舞えば最終閲覧は私になる。なんとも開きにくい、しかし最高に開きたい、魅惑のファイルが、今日も私を招く。

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