自鳴琴

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8/6/2025, 11:04:11 PM

帰り際、貴方に手を振ることは
また貴方に会いたいと思っているから。

帰り際、貴方に笑顔を向けることは
また貴方と話したいと願っているから。

帰り際、貴方が見えなくなるまで見送るのは
いつだって貴方の無事を祈っているから。

二人の夜が明けて、再び朝日が昇る日まで


またね

7/28/2025, 5:35:01 AM

いつの日も心を沈めるための
場所を求めていた。

目に見えるもの全てが軽くなって、
本当の私が優しくなれるような場所。

孤独な存在なんて微塵も感じない
一生廃れることのない世界に行きたい。

少しでも綺麗に、軌道を逸れないよう生きたい。

汚れた自分が垣間見えた時点で、
私の中にオアシスなんてものは存在しなかった。


『オアシス』

7/20/2025, 1:28:19 PM

度々人生を遡ることがあると
まるで一本の映画を鑑賞しているような気分になる。

物語には起承転結が存在していて、
常に喜びの時間が続く訳ではない。
勿論楽しい時間が永遠と続いていく訳でもない。

人は未来を予測できない。

それでも、今を生きなければならない。
決して現実から目を逸らしてはならない。

明日世界が滅亡するとしても、
最期の瞬間をたった一人で生きるとしても、

私が私で良かったと、心から思えるような
そんな人生を築き上げていきたいのだ。


『今を生きる』


7/17/2025, 3:28:01 PM

あまりの暑さに木陰の下で疲れた足を休める。

風に靡く緑葉がそよそよと静かに揺れていた。

手に触れる柔らかな雑草達が
それに応えるようにざわざわと騒ぎ始めた。

やがて握り締めた土にも体温が伝わる。

陽射しも一段と強くなり、
日陰をくぐっているにも関わらず
体の至る所から滝のように汗が流れ出る。


さぁ、休んでいる暇はないぞ。


『揺れる木陰』

7/16/2025, 2:30:45 PM

夢を見ていた。

早朝から降り続く雨のせいか、
窓から吹き抜ける風は少し肌寒い。

教室のガヤガヤした雰囲気と共に
微睡んでいた意識が現実へと引き戻される。

なんだか愉快な夢を見ていた気もするが、
深いどん底へ突き落とされる夢だった気もする。

つい先程まで覚えていた筈のそれは
あちこちから聞こえてくる声によって霞んでしまう。

なんとも腑に落ちない。

すると次第に
お日様の匂いが鼻を掠め、
開けた雨雲から晴れ間が覗き始めた。

暖かくて 柔らかい
いつか遠い日の記憶を遡るような

そんな空気に包まれながら


再び机に突っ伏していた。


『真昼の夢』

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