海老body

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2/27/2024, 11:28:19 AM

平穏な日々だった。
会社では残業続きだったが、信頼できる仲間達と共に夜を過ごし、休日には家でゆっくりと自分の時間を過ごす。
この日々が、ずっと続くと思っていた。
そんな日々が突如として崩れた。

ああ、明日の夕飯は何にしよう。
久しぶりに洋食にしてみようか。

カサッ

………

カサカサッ

もう、やめて……
ゴキブリ……

2/26/2024, 11:29:53 AM

金木犀の香りがした。
振り返ると、髪の綺麗な女性がコートを翻して歩いていて、なんだか私は、恋に落ちたみたいだった。

私は金木犀が好きだ。
だけど、自然の中ではこんなにも可愛らしい甘さを持つのに、百貨店で香る金木犀はなんとも媚びるような甘さで嫌いだ。
常々、人工は自然に勝てないなと思う。

あの髪の綺麗な女性は、金木犀を家に飾っているのかな。
それとも庭に植えているのだろうか。

もしかすると、金木犀の妖精だったのかな。

なんて、いつもの妄想だ。
「私も、金木犀好きよ。あなたみたいで。」

あの彼女の面影をいつも追っている。

2/24/2024, 1:16:59 PM

小さい命って?

お年寄りや赤子など、社会的に価値がない人達のこと?
人間を除いた、知能の低い動物や虫、植物のこと?

赤子や、生まれたての哺乳類動物のことを見て、小さい命や小さき命と呼んでいる場面を見たことがある。
ネットで、あるいは現実で。

じゃあ、成人した人達の命は、対比で大きい命とでも呼ぶの?
なら命とは、体や精神の大きさに比例するものってこと?
そもそも、〝命〟に大きいや小さいなどの形容詞を当てはめていいのかなあ。

私は、命はどんな生命にも平等に与えられた等しい価値のものであって、サイズ感的な形容詞を当てはめるには向いていないと思う。

だって、赤子を小さき命と呼ぶなら、大人は大きい命?
小さいと呼ぶなら大きいも無くては駄目だけど、大きい命っていうのは何に当てはめるのが正解なんだろう。
それが分からない以上、人類史の中に小さい命なんて言葉は存在させてはいけないのでは?

2/23/2024, 12:28:57 PM

ふと、告白をしてみようと思った。
部活で知り合ったあの先輩。
ハッキリ好きという感情が湧いているわけではなかったけど、なんとなくで告白してみようと思ったので、した。

「好き、です」

パッと相手の顔を見ると、先輩は顔を赤らめて隠す。

「…ありがとう」

特にこれといった特別な言葉では無かったけど、私までなんだか顔が赤くなった。

あ、大好きだ。
好きだ、先輩。
今になって湧き上がる。
顔、見れない……

2/19/2024, 7:21:40 PM

しゃく、しゃくしゃく、しゃく。

鮮やかな黄が足元にひかれている。
イチョウ並木のこの道は、この時期になると葉を沢山落として、何の変哲もないコンクリートを黄色の絨毯へと変貌させる。
そして、私はその道をゆっくり踏みしめて音を楽しみながら歩く。さながら気分は女王様だ。
いつものようにゆっくり、ゆっくり歩を進めていると、ふと銀杏が目に入った。

「イチョウは臭くて、大キライ。あなたの言ってることは分からないわ。」

はて?この言葉は誰から聞いただろう。その言葉を聞いて、幼かった自分は憤慨した、ような気はする。
こんな高飛車風な話し方、いたら覚えているような気がするのに、一向に言葉の主を思い出せない。
うーん。そんなに私にとって重要な人物でなかったのかもしれない。忘れよう。

「そういうところ、あなたも含めて嫌いって言ったの。まさか、私のこと忘れてるの?」

え?

『銀杏』

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