uni

Open App
8/2/2024, 2:04:34 PM

はじまりの場所。
まだ蒼く、小さく泣くあなたを胸に抱いた時。
「愛しい」という言葉の意味を知った。

大人の親指ほどの握り拳を、胸の膨らみに押し当て、顔を横に向けたまま、この世界に産声を聞かせてくれた。

とても小さな、小さな足裏を必死に蹴り上げて雄飛する。

歪だけど、愛らしく丸い頭を両手で包みこんだ。



どんな人も。
生まれ落ちた瞬間は、平等に愛される権利がある筈。

例え。

愛されなくても。

愛する権利を私達は持ち合わせてる。

題:病室

7/26/2024, 11:53:22 PM

自分のためにご褒美をあげよう。

自分が幸せになれる食べ物を食べて。

自分が安らげる時間を持とう。

自分が悦びを感じて笑っていられる。

それが大切なんじゃないかと、最近はつくづく思う。


題:誰かのためになるならば




お金があるところに集まるように、笑顔も幸せも、あるところに集まる。

しんどいことばっかだけど。死ぬまで微笑うんだ。

7/23/2024, 11:15:38 PM

あなたを想って。想い続けて辛い時間を長らく過ごした。

「私なんかと一緒にいると、あなたは幸せになれない」なんて傲慢に満ちた考えだったかもしれないけど、家族を看取らなければならない、私の置かれている立場では、本当にあなたを幸せに出来なかった。

冬と春を超えて初夏。
思いきってあなたにメッセージを送る。

「あなたとの思い出に支えられて過ごしていた。差し支えなければ、もう一度会ってほしい」

コンクリートから上がる蒸せ返るような湿気と刺す様な日差し。やっと鳴き始めた蝉の声が響く。

独り鼓動だけが虚しく鳴り、ただ時間だけが過ぎたが、あなたからの返事は一切返ってこなかった。

どうやら、また、傲慢にもどこかで期待し、あなたが待っていてくれていると思い込んでいた自分に気づく。

桃色の百日紅(さるすべり)が垂れ下がり、そこの空間だけ華やかにしている。

濃い青の空を背景にし、百日紅に向かって上を向いて写真を撮った。

「過去にあなたが愛してくれた事は信じています。ありがとう。今日で本当にさようなら」

題:花咲いて

7/22/2024, 10:38:50 PM

[悔やんでいる」事になるのだろうか。

母として、短い期間であっても面倒みてくれた事は、嘘偽り無く感謝している。

が、正直に。私が幼い頃より、私と同等の精神年齢だった母の事を、最期まで人として好きにはなれなかった。

実家を出て15年目の夏の日。

突然の叔母からの電話。

「お母さんが黒くなって死んでる」

駆けつけた私の目の前に、蒼黒く変色した母がいた。

警察によると死後3日ほど経っていたそうだ。幸いにも顔は十分に判別出来、不詳の病死と診断されて事件性は無かった。

片付けの為、実家を訪れ黒褐色の嘔吐痕を雑巾で拭う。死者独特の臭いが鼻にまとわりつく。

詳しい死因は分からなかったが、嘔吐物に食べ物が混じっておらず、コーヒー残渣様の時点で吐血したのだと予想された。

悲しいほど、涙は出なかった。

けれど。血の通わない人形と化した母の姿と、見つけられず倒れていた3日間を想像すると、心の深淵が恐ろしく冷たくなった。


…私は、後悔しているのだろうか。

題:もしもタイムマシーンがあったなら。

7/20/2024, 7:23:55 PM

職場では「佐藤さん」近寄り難い、怖いという印象を持たれやすい。楽なのでそのキャラで生きている。

ネットでは「cloud」雲のように害の無い存在でいたい。いつでも消える。

数少ない友人からは「あんた」私の短所も知っている人。隠す事は何も無い。


あなたは「ゆうか」

呪縛のように、私の名を呼ぶあなたの声が耳から離れない。誰にも見せない顔を知っているのは、あなただけだった。

そしてあなたも、私にだけ見せる顔があった。
私達は、私達しか知らない顔を持っていた。

名も同じ。
あなたが呼ぶ私の名前は、私にとって特別だった。


題:私の名前

Next