あなたを想って。想い続けて辛い時間を長らく過ごした。
「私なんかと一緒にいると、あなたは幸せになれない」なんて傲慢に満ちた考えだったかもしれないけど、家族を看取らなければならない、私の置かれている立場では、本当にあなたを幸せに出来なかった。
冬と春を超えて初夏。
思いきってあなたにメッセージを送る。
「あなたとの思い出に支えられて過ごしていた。差し支えなければ、もう一度会ってほしい」
コンクリートから上がる蒸せ返るような湿気と刺す様な日差し。やっと鳴き始めた蝉の声が響く。
独り鼓動だけが虚しく鳴り、ただ時間だけが過ぎたが、あなたからの返事は一切返ってこなかった。
どうやら、また、傲慢にもどこかで期待し、あなたが待っていてくれていると思い込んでいた自分に気づく。
桃色の百日紅(さるすべり)が垂れ下がり、そこの空間だけ華やかにしている。
濃い青の空を背景にし、百日紅に向かって上を向いて写真を撮った。
「過去にあなたが愛してくれた事は信じています。ありがとう。今日で本当にさようなら」
題:花咲いて
7/23/2024, 11:15:38 PM