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2/25/2024, 4:52:37 PM

排泄と簡素な食事以外は、ベッドの中で丸まったまま一日を過ごし、日曜日が終わろうとしていた。

職場のことが少しでも頭に過ぎると、鉛のように重いものを胃の臓腑に感じて、気持ち悪くなる。

何処の職場でも、人間関係のいざこざがあることは理解している。

その、人間関係に労力を割くことには、ほとほと疲れた。

「角が立つから」もちろん意思表示はしない。
何も言わず、ひたすら就業時間が終わるのを待つ。

そんな明日を迎えなければならない。

カーテンを閉め切ったままの部屋は、今にも泣き出しそうな空の色をしていた。

ふと、カーテンの隙間から、丸い月が見えた。
立ち上がり3階のベランダから外を眺める。

月の下には、星屑のような家々の灯りが揺らいでいる。

広い世界の中のちっぽけな自分。
自分のことなど、誰も気には止めていない。

急に、突き刺すような風が吹き、髪を撫で通り過ぎた。
誰かに背中を押された気がした。

…仕事、辞めよう。そう、心に決めた。

2/24/2024, 7:23:11 PM

ネット上の言葉だった。

「今の時代、子どもを作るのは、バカか金持ち」

かなりの数の「いいね」がついていた。

「バカ」と「金持ち」の差は、単純に環境だろう。

身の丈に合った選択が必要だ、ということ。

本当に正論だと思う。

そう、これからの時代はみんな利口であるべきだ。




年月が経ち…年老いた私は、自身の部屋のベッドにひとり横たわっている。

私の横には、介護用のAIが家族として座っている。



2/24/2024, 6:42:40 AM

煩悩とは。

心身にまといつき心をかきみだす、一切の妄念・欲望。

※グーグル日本語辞書Oxford Languagesより




「愛」も煩悩のひとつ。


2/23/2024, 5:44:15 AM

ふとんを干してから、取り入れた時の匂い。

あたたかくて、やわらかで。

太陽の匂い、と幼いころより認知していた。

包まれるような、安心する匂い。

大好きだった。

今はもう、嗅ぐ事は出来ないけど。

初めて、心から好きになった人の背中も、同じ匂いがしていた。

2/21/2024, 1:16:56 PM

家族の為。
大袈裟ではなく、本当に家族の為。
資格も取得し、管理職までになった。

だが、ある日辞令が下りた。
地方都市への異動。要は必要がないという事。

娘は高校生になったが、日頃より留守がちだった自分は空気以下の存在。

どうやら妻は、パート先の男と恋仲らしい。

冷蔵庫の中に、自分の好む物は何も無い。

どうだろうか。
「家族の為」と大義名分をかざして、家族から目を背け続けた自分が、今更抗ったところで何になるだろう。

「相手にされてない」

ただ静かに冷蔵庫の音だけが、ブーン…と鳴る。

それは、自分自身が家族に行ってきた事ではないのか。
今更…

「…なんで?早いじゃん」
何も無い冷蔵庫を開けながら、高校生の娘は言った。


妙な間合いの後、暇だから炒飯作るよ、と答えた。
何も無い冷蔵庫を開けながら。

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