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排泄と簡素な食事以外は、ベッドの中で丸まったまま一日を過ごし、日曜日が終わろうとしていた。

職場のことが少しでも頭に過ぎると、鉛のように重いものを胃の臓腑に感じて、気持ち悪くなる。

何処の職場でも、人間関係のいざこざがあることは理解している。

その、人間関係に労力を割くことには、ほとほと疲れた。

「角が立つから」もちろん意思表示はしない。
何も言わず、ひたすら就業時間が終わるのを待つ。

そんな明日を迎えなければならない。

カーテンを閉め切ったままの部屋は、今にも泣き出しそうな空の色をしていた。

ふと、カーテンの隙間から、丸い月が見えた。
立ち上がり3階のベランダから外を眺める。

月の下には、星屑のような家々の灯りが揺らいでいる。

広い世界の中のちっぽけな自分。
自分のことなど、誰も気には止めていない。

急に、突き刺すような風が吹き、髪を撫で通り過ぎた。
誰かに背中を押された気がした。

…仕事、辞めよう。そう、心に決めた。

2/25/2024, 4:52:37 PM