-ゆずぽんず-

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5/10/2025, 11:19:12 AM

皆さん、こんばんは。

明日か明後日に、考察や評論的要素も含んだ随筆を投稿するつもりでいます。

章を3つに分けて、各章でそれぞれの考察や経験に基づいた話をしています。

文字数が一万字を超えるものになるので、投稿すべきか否か。分割して投稿すべきか否か、迷っています。

私を評価してくださる方、もう一度読みたいと応援して下さる皆様は、変わり者だと思っていますので、長文にも目を通して頂けると思っております。


さて、なぜ故にそのように長い作品を作ろうと思ったのかについて説明いたします。

これには、私の年末までの目標が大きく関係しています。これまで、恐らく2年ほど執筆をしてまいりました。

とはいえ、作品数は多くはありません。ひとつの投稿が大体3千字程から5千字程度です。


そして、現在はより様々な分野の執筆ができるようブラッシュアップを始めました。それに伴い、本年中に10万〜20万字、あるいはそれ以上の執筆したいと考えています。

つまるところ、非常にわがままな自己満足です。

もちろん、今後は「詩」も投稿しますし、その他の分野でも作品を投稿いたしますので、どうか飽きずに見てやってください。

5/8/2025, 1:18:19 PM



身を焼くように、それでいて包み込んで蒸されるように苦しめる夏の盛り。あちらこちらで、数え切れないほどの営みが続いている。ここ、海の見える山手の現場もチクタクと時を紡いでいる。


重機が砂埃をふわりと巻き上げ、大型ダンプトラックの荷台に土砂を積み込んでいる。重機のバケットが地面を掬えば、穴は更に大きく、深く、口を広げていく。旋回すれば、すくい上げた土砂がパラパラと落ちて辺りに積もっている。オペレータはエアコンの風を受けて、服がさざ波のように揺れている。ダンプトラックの運転手が涼を得ようとか、車外の音を聞こうとしたのか窓を開けた。束の間、積み込み作業で立ち上がる砂埃に慌てて窓を閉める様子に私は堪えきれずに笑う。気づかれないように手で顔を隠した。ふと、二人に目を戻すと閉じられた車内で何かを口にしていた。きっと、夏の嫌な風に愚痴をこぼしている。

少し離れたところでは、型枠大工の親方が部下たちと共に手すり壁の型枠を組み立てている。まるで、ドラムで演奏を奏でるように、リズミカルにハンマーを振って釘を打ち込んでいる。時折、親方と部下の二人で大きな型枠を持ち上げては眉間にシワを寄せる。額や頬に汗の筋が光る。不意に吹き付ける砂混じりの風に、堪らず背を向けて腕で顔を隠している。何も無かったかのように黙々と釘を打つ親方に、イタズラな笑みを浮かべた部下が脇腹を小突いてちょっかいをかける。笑いながらも諌めるように部下のヘルメットを軽く叩く親方の目は、太陽のようにギラギラしていた。



距離を置いてそれぞれの作業の様子を見ている私の元に、遠くで立ち上る砂埃が風に運ばれてきた。少し強い夏の風に身体を熱せられ、風とともに空を舞う小さな砂粒が肌を打つとチリチリと痛む。今すぐどこかへ身を隠したいものだが、現場監督として、施行の状況を写真に納めなければならない。暑さと砂風に、挫けそうになる心に、仕事の責任だけが涼しい顔をして乗っかってくる。
風が止む。重機作業に目を向けると、低く唸るような音を立てて、ダンプトラックへの積み込み作業をしていた。その度に、土砂がバケットから落ちる音が鉄の箱を叩く。
重機オペレータとダンプトラックの運転手は、ドアも、窓も閉めて砂埃から身を守っている。オペレータは、ガムのボトルから二粒のガムを口に放り込む。そうして、スマートホンの画面を一瞬だけ睨むと、表情を曇らせた。ダンプトラック運転手は、無線を片手に何やら楽しそうに談笑している。他の運転手と、今日の天気に文句合戦でもしているのだろうか。

型枠大工の職人たちが「タン、タン」と心地の良い木材を叩く音を響かせ、たまに親方と部下の掛け声や笑い声が現場の雰囲気を明るくしている。夏の昼下がり、焼けるような日差し、まとわりつく湿度。そこに、吹き付けてきた砂埃と混じって、肌に残る汗が嫌に気持ち悪い。現場をぐるりと巡回すると、敷鉄板が敷かれた場所は一段と暑く、BBQができるのではないかと思うほど鉄板が熱せられていた。焼けた鉄板に足を乗せた瞬間、笑うしかなくなる。空は容赦なく、ただ真っ青だった。呑気に浮かぶ雲に、私は皮肉を投げる。苦虫を、嚙み潰すように。



蝉の合唱がけたたましく鳴り響く。どこまでも青い空に、分厚く、重たい積乱雲が遠くで流れて、それに合わせて温められた風が現場全体を吹き抜けていく。
ギラギラと照りつける日差し。建物や立木から伸びる影もいよいよ短くなり、日が真上に上がった頃、水を得た魚のように、いや、油膜に一滴の洗剤を落としたように、職人たちが影へと散っていく。その様子とは裏腹に、遅れて休憩にと歩く職人が数人。きっと、土工の職人だろう。ワイワイと笑い合いながら自販機へ足を弾ませている。よく観察してみるとジャンケンをしているから、ジュースジャンケンで誰がジュースを買うことになるのか勝負をして遊んでいるのだろう。サウナのように暑い陽の下で、彼らはきっと、「今日は早めに上がって、さっさと飲みにいこーぜ」と語り合っているのだ。私は、今まさに、彼らが汗に濡れるキンキンに冷えたビールジョッキを、手に持っている姿を連想したのだ。
そして、自販機で買った冷たい缶ジュースやスポーツ飲料を手に、影や屋根下、車や休憩室へ歩く職人たちもまた、首元にかかるタオルで目元や口元を拭いながら歩いている。中には買ったばかりの冷たい缶飲料を額に当てる姿、水道から勢い置く流れる水に頭を突っ込んでいる姿もある。「あぁ、気持ちいい! プールか海にダイブしてぇ」という心の声が聞こえてきそうだ。
この現場、この状況を子供の頃に見た景色で表すなら、水面に撒かれた餌へ、わらわらと群がる鯉たち。その姿がふと、職人たちに重なった。暑さに負けず笑い合う彼らを見て、私は頭をかいて、黙って事務所へと戻った。


汗で沈んだシャツを背に、職人たちは今日も、陽炎をかき分けていく。どこかにある、オアシスを信じて。

午後も、明日も、明後日も。

5/7/2025, 1:42:51 PM

『自省の言の葉』



言葉は、ときに届かず、
ときに自分を突き刺す。

この詩たちは、
届かない声を抱えて歩く日々の中で
ふとこぼれた “小さな息” です。

音にするのが怖かった想い、
形にできなかった感情、
それらが、言の葉になりました。

ひとつでも、
あなたの静かな夜の片隅に
柔らかく残るものがあれば幸いです。




遠く見る
街に輝く灯りと目尻に涙

微かに聞こえる音は
営みの変わらぬ姿の向こうに星を見た

届かない黒空に弱く呟いた
自省の言の葉





最初の一行を書くのに、
どれだけの沈黙を過ごしただろう。

詩を書くというのは、
声にならない想いを
言葉にするための「覚悟」だった。

誰にも気づかれない一言、
でも誰かの胸の奥にだけ届く言の葉。

そんな詩を、これからも書き続けたいと思う。

最後まで読んでくれて、ありがとう。
どこかでまた、あなたと詩の中で会えますように。





私は基本的には、詩を綴ることはありません。様々なライティングのうち、私が得意とするのは別のところにあります。
しかし、心の変化がありました。より一層のライティング技術と力をつけたいと思い、ブラッシュアップに力を注ぐようになりました。
ライティングは、ジャンルや目的によって、ルールが大きく変わります。文語における基本構成、括弧や句読点は基本的には同じです。しかし、ダッシュなどの記号、段落や改行、そして行間などの使い方には大きな差があります。

これまで、たくさんのお話を執筆してきました。今後は、より磨きをかけて、読み易く、没入感や読後感に浸れるもの、或いは読み手にとって何か一つでも心を動かせるものを執筆していけたらと考えています。
そして、物語や詩についても少しずつ、気ままに執筆できたらと考えています。この先、少しずつ変わっていく私の姿もまた、ここに投稿する作品と併せて届けていきます。あたたかく見守って頂けますと幸いです。

今後、詩の執筆にあっては、ある程度の作品をまとめた「詩集」をつくります。物語や、エッセイのようなものも引き続いて執筆いたします。しかし、いずれの作品も納得ができなければ、投稿に至らないかもしれません。
ですが、少しずつ皆様とお会いできる時間を作っていきたいと思っておりますので、見届けてくださいませ。

では、風邪をひかれませんよう暖をとってお休み下さいませ。

5/6/2025, 11:00:01 AM

白けた世界に青が覗く。遙か彼方まで、広く高い空、ちっぽけな自分にーー小さくため息をつく。
遠くで、微かに自転車の軋む音。ブレーキの叫びと、元気な子供の笑い声。

ーー小さな公園で、風に揺れるブランコ。静寂に錆びた音。丸めた背中。よれた背広に、幾つもシワの波が立っていた。

思えばいつからだろう。やる気に満ちて、溌剌としていたあの頃。上へ上へ、のし上がってやるぞと気概に滾り、突っ走っていた。

それなのにーー

気がつけば、同期も後輩も自分を置き去りにしていた。追いかけようにも、距離はどんどん開く。やがていつしか、会社の誰からも見向きもされなくなっていた。

ーーいつからだろう、自分を見失っていたのは。

5/4/2025, 10:38:15 AM

テーマに関係なく、今一度、文章について見つめ直しました。そして、今日いちにち、ブラッシュアップを続けました。私の作文を読んでくださる方、お気に入りに登録痛どいている皆様は、その変化に気がつくことと思います。
これからは、より読み易く、より没入感と読後感に浸れる作文を作って参ります。どうか、生暖かく見守って頂けますと、心より嬉しく思います。





身を焼くように、それでいて包み込んで蒸されるように苦しめる夏の盛り。あちらこちらで、数え切れないほどの営みが続いている。ここ、海の見える山手の現場もチクタクと時を紡いでいる。

重機が砂埃をふわりと巻き上げ、大型ダンプトラックの荷台に土砂を積み込んでいる。重機のバケットが地面を掬えば、穴は更に大きく、深く、口を広げていく。旋回すれば、すくい上げた土砂がパラパラと落ちて辺りに積もっている。オペレータはエアコンの風を受けて、服がさざ波のように揺れている。ダンプトラックの運転手が涼を得ようとか、車外の音を聞こうとしたのか窓を開けた。束の間、積み込み作業で立ち上がる砂埃に慌てて窓を閉める様子に私は堪えきれずに笑う。気づかれないように手で顔を隠した。ふと、二人に目を戻すと閉じられた車内で何かを口にしていた。きっと、夏の嫌な風に愚痴をこぼしている。

少し離れたところでは、型枠大工の親方が部下たちと共に手すり壁の型枠を組み立てている。まるで、ドラムで演奏を奏でるように、リズミカルにハンマーを振って釘を打ち込んでいる。時折、親方と部下の二人で大きな型枠を持ち上げては眉間にシワを寄せる。額や頬に汗の筋が光る。不意に吹き付ける砂混じりの風に、堪らず背を向けて腕で顔を隠している。何も無かったかのように黙々と釘を打つ親方に、イタズラな笑みを浮かべた部下が脇腹を小突いてちょっかいをかける。笑いながらも諌めるように部下のヘルメットを軽く叩く親方の目は、太陽のようにギラギラしていた。



距離を置いてそれぞれの作業の様子を見ている私の元に、遠くで立ち上る砂埃が風に運ばれてきた。少し強い夏の風に身体を熱せられ、風とともに空を舞う小さな砂粒が肌を打つとチリチリと痛む。今すぐどこかへ身を隠したいものだが、現場監督として、施行の状況を写真に納めなければならない。暑さと砂風に、挫けそうになる心に、仕事の責任だけが涼しい顔をして乗っかってくる。
風が止む。重機作業に目を向けると、低く唸るような音を立てて、ダンプトラックへの積み込み作業をしていた。その度に、土砂がバケットから落ちる音が鉄の箱を叩く。
重機オペレータとダンプトラックの運転手は、ドアも、窓も閉めて砂埃から身を守っている。オペレータは、ガムのボトルから二粒のガムを口に放り込む。そうして、スマートホンの画面を一瞬だけ睨むと、表情を曇らせた。ダンプトラック運転手は、無線を片手に何やら楽しそうに談笑している。他の運転手と、今日の天気に文句合戦でもしているのだろうか。

型枠大工の職人たちが「タン、タン」と心地の良い木材を叩く音を響かせ、たまに親方と部下の掛け声や笑い声が現場の雰囲気を明るくしている。夏の昼下がり、焼けるような日差し、まとわりつく湿度。そこに、吹き付けてきた砂埃と混じって、肌に残る汗が嫌に気持ち悪い。現場をぐるりと巡回すると、敷鉄板が敷かれた場所は一段と暑く、BBQができるのではないかと思うほど鉄板が熱せられていた。焼けた鉄板に足を乗せた瞬間、笑うしかなくなる。空は容赦なく、ただ真っ青だった。呑気に浮かぶ雲に、私は皮肉を投げる。苦虫を、嚙み潰すように。

蝉の合唱がけたたましく鳴り響く。どこまでも青い空に、分厚く、重たい積乱雲が遠くで流れて、それに合わせて温められた風が現場全体を吹き抜けていく。
ギラギラと照りつける日差し。建物や立木から伸びる影もいよいよ短くなり、日が真上に上がった頃、水を得た魚のように、いや、油膜に一滴の洗剤を落としたように、職人たちが影へと散っていく。その様子とは裏腹に、遅れて休憩にと歩く職人が数人。きっと、土工の職人だろう。ワイワイと笑い合いながら自販機へ足を弾ませている。よく観察してみるとジャンケンをしているから、ジュースジャンケンで誰がジュースを買うことになるのか勝負をして遊んでいるのだろう。サウナのように暑い陽の下で、彼らはきっと、「今日は早めに上がって、さっさと飲みにいこーぜ」と語り合っているのだ。私は、今まさに、彼らが汗に濡れるキンキンに冷えたビールジョッキを、手に持っている姿を連想したのだ。
そして、自販機で買った冷たい缶ジュースやスポーツ飲料を手に、影や屋根下、車や休憩室へ歩く職人たちもまた、首元にかかるタオルで目元や口元を拭いながら歩いている。中には買ったばかりの冷たい缶飲料を額に当てる姿、水道から勢い置く流れる水に頭を突っ込んでいる姿もある。「あぁ、気持ちいい! プールか海にダイブしてぇ」という心の声が聞こえてきそうだ。
この現場、この状況を子供の頃に見た景色で表すなら、水面に撒かれた餌へ、わらわらと群がる鯉たち。その姿がふと、職人たちに重なった。暑さに負けず笑い合う彼らを見て、私は頭をかいて、黙って事務所へと戻った。


汗で沈んだシャツを背に、職人たちは今日も、陽炎をかき分けていく。どこかにある、オアシスを信じて。

午後も、明日も、明後日も。

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