白けた世界に青が覗く。遙か彼方まで、広く高い空、ちっぽけな自分にーー小さくため息をつく。
遠くで、微かに自転車の軋む音。ブレーキの叫びと、元気な子供の笑い声。
ーー小さな公園で、風に揺れるブランコ。静寂に錆びた音。丸めた背中。よれた背広に、幾つもシワの波が立っていた。
思えばいつからだろう。やる気に満ちて、溌剌としていたあの頃。上へ上へ、のし上がってやるぞと気概に滾り、突っ走っていた。
それなのにーー
気がつけば、同期も後輩も自分を置き去りにしていた。追いかけようにも、距離はどんどん開く。やがていつしか、会社の誰からも見向きもされなくなっていた。
ーーいつからだろう、自分を見失っていたのは。
5/6/2025, 11:00:01 AM