1/27/2024, 8:36:18 AM
ミッドナイト
1/24/2024, 3:44:52 AM
題『こんな夢を見た』
「おはよう。今朝は随分ゆっくりだね」
「…………夢を見た」
寝室からのそりと出てきた彼は、白い髪をあちこちに跳ねさせたまま、地を這うような低い声で呟いた。
「夢?」
オウム返しに聞けば、眉間に皺が寄った。カップでその顔を遮り、中身をひと啜り。
「……俺があんたを抱く夢だ」
「うん? ……ゲホッ」
予想外の答えに咽せた。
「なるほど、なるほど……」
こちらの困惑をよそに、彼は言うだけ言って(問うたのはこちらではあるのだが)シャワーを浴びに浴室へ篭ってしまった。
揶揄われたような、試されたような気分だ。
なるほど、それならば……。
「つまりキミはーー」
頭を拭きながら出てきた彼にすかさず切り出す。
「?」
「とても気持ちの良い夢を見たから寝坊したのだということかな?」
私が言い終わるか終わらなかいかの内に、湿ったタオルをぶつけられた。
1/22/2024, 12:18:15 PM
題『タイムマシーン』
虚空から紫影が静かに降り立った。
そのよく識る翠の瞳が物憂げに揺れて、心の内を言葉より雄弁に現した。
糸は確かに未来へと紡がれ続けていることへ安堵すると同時に、沸いた疑問は胸中で荒れ狂う。
問いたい。解きたい。
……けれど、彼はそのどちらも望まないだろう。
「何も聞かずについて来い」
差し出された手には、知らない傷が増えていた。
震える指先を包み込み、私は答えるーー。