あらはら

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7/27/2024, 3:56:11 PM

「なんで僕のせいにするの」

帰宅途中の私は

急に目の前に現れた少年にそう言われた

迷子だろうか


「どうしたんだ? 誰も君のせいになんかしてないよ」

「嘘だ、僕は見てきた。

皆、何もかも、全部僕のせいにするんだ。」

少年は真っ直ぐ、私の目を見てそう言った


困ったな、ちょっと厄介な子どもだ

私はこういうのを扱うのに慣れていないというのに

ここは面倒だし、適当に流しておこう


「まあ。なんだ。

多分、今まで見てきたのは君に対してじゃない。

神様だ。皆神様に対して言ったんだ。

上手くいかなかった時とか

運が悪かった時とかによく言うだろ?

きっと神様に対して言ったんだよ」


……適当すぎただろうか

しかし、少年は「そっか」と笑い

私を通り過ぎて、どこかへ行ってしまった


良かった

少し心配したが、何とかなったようだ



私はその後、そのまま家へ帰った

コーヒーと、今日買ってきたクッキーを食べ

ゆったりとした時間をくつろいだ


暇だしテレビでも付けよう

私は絶妙に遠いリモコンを何とか取り

テレビを付けた


……ジジ……


「『速報です。ただいま、直径10kmの隕石が落ちて来ていると速報が入りました。あと3時間程で大気圏に突入すると予想されており___』」


「……は?」



はは


はは、なんだ、今日はエイプリルフールではないぞ?


はは、はは


そうか、きっとこれも神様の仕業だ

神様を怒らせるなんて

誰がそんなことをしたんだか

罰当たりな奴だ


きっとそいつは地獄にでも落ちて

神様に裁きを与えられるのだろう

無間地獄に堕ちて

永遠に苦しむんだ


「ああ!! 可哀想に!!」


私はコーヒーカップを膝に落とし

ただひたすら笑うことしか出来なかった

7/26/2024, 11:03:23 AM

誰かのためになるならば



そう言ってあなたは

この私を置いていったね


君はいつも自分の周りにあるものを見落とす

遠くを見るのも良いが

たまには身の回りも見て欲しいものだ


今の私は

君のせいで

手に届くはずのない星を見つめている


元々星なんて好きじゃないのにさ



もし


もしも君が流れ星となった時は

私のために

私の元に落ちてきてくださいね

7/25/2024, 10:30:09 AM

一つの鳥かごを見つけた

中は空のようだ


パッと見たところ

鳥かごは、元の色が分からない程錆び付いて

開けたままのドアは、キィキィと音を鳴らしている


ここにいた鳥は

中で息絶えてしまったのだろうか

それとも

今でも外で飛び回っているのだろうか


この鳥かごを見ただけの私には

何も知る由もなかった


しかし、


もし、その鳥が今でも生きているのであれば

強く、自由に生きていて欲しいと思った

7/24/2024, 3:43:16 PM

友情というのは

双方が感じて初めてできる物だと思っている


私は人の粗を認めることが難しい人間だ

人間、誰しも粗はある

もちろん私も例外ではない

人は距離が近ければ近いほど、

共にいる時間が長ければ長いほど

良くも悪くも、色んな特性が見えてくる


私は、そこで見つけた粗を認めることが出来なかった


今までで仲が良かったと断言できる人は

正直居ない

理解し合えないことを認められないのだから


しかし、それでも私のそばに居てくれる人がいた

相容れないながらも、離れないでいてくれた

そこに友情があったのか、無かったのか

私には分からない

それでも、その近くにいてくれたという事実だけで

私は、とても嬉しく思う

7/23/2024, 3:41:10 PM

雨上がりの空

地面は湿り、空は真っさらに澄んでいた


黒い雲は徐々に遠くへ行き

眩しい太陽は、辺りの水滴をキラキラと輝かせている


爽やかな青空は、水たまりに反射して

一面を青く染めていた



ふと足元を見てみると

一輪の、黄色いタンポポが咲いていた

花弁の一枚一枚には大きな水滴がついている



水滴には一面の青空が広がっていた

水滴の一つ一つに、それぞれの空が丸っと映っていた



この世界は青かった

しかし、タンポポは

一輪でありながら、全ての青を包み込むように

元気な黄色をただ一人、輝かせていた

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