深夜に床に倒れ込んでからどれほど経っただろうか。ふと、重い頭を窓の方に向けて見ると、カーテンと壁の隙間からは、黄色の柔い光が溢れ出ていた。
寝てるのか起きてるのかも分からない時間は、長いのか短いのかも分からなかった。
僅かながら意識がはっきりしてきたところで、私はなんとなくカーテンを開けた。
眩しい。
様々な障害物に妨げられながらも、太陽は私の目を一直線に刺してきた。
太陽が昇ると同時に鳥が朝の挨拶をする。さっきまでは闇と化していたであろう街並みは、それを忘れさせるかのように太陽の光を反射していた。
強く光り輝く太陽は、一日の始まりを知らせる。
今日も終わらない今日が始まった。
「もし、世界中が私達の敵になったらどうする?」
「そうだな、難しい話題だ。でも、僕は必ず最初に君を殺すよ。その後は、まあ、どうにかするさ」
「ふふ、適当なのね。でも、私、貴方の手で最期を迎えられるなんてとても嬉しいわ。私も貴方を殺した後どうしようか考えていたの」
「はは、なんだ、僕たち相思相愛じゃないか」
「だって、貴方の最期は誰にも渡したくないもの」
「僕も、君にそう思っているよ」
「そうね、もし私が貴方を殺したら、人のいない、深い、静かな海に沈めてあげるわね」
「それじゃあもし僕が君を殺したら、誰もたどり着けない、広い、綺麗な花畑に埋めてあげよう」
「ふふふ、嬉しいわ。そうだ、約束しましょう。先に殺した方が、絶対ね」
「ああ、約束しよう。絶対だ」
あの日
太陽の下で笑っていた向日葵は
いつしか
冷たい地面を静かに見つめるようになっていた
皆僕を褒めたたえた
皆僕を羨ましがった
金があって、頭も良くて、容量も良い
コミュニケーションだって難なくできる
嫌味を言うやつもいたが
僕は気にしない
僕はいい人だからね
僕は完璧人間だから
僕は
もう
完璧でなければ
いけない、から
「ずっと嫌いだったよ」
君は、私に顔すら見せず
その言葉だけを言い残して去ってしまった
君は何も変わらないね
痛く、突き刺すようなその言葉は
酷く、暖かく震えていた