11/30/2025, 2:10:52 PM
「君と紡ぐ物語」
“君と紡ぐ物語”。そんなものがあったなら、君を救えたのだろうか。臆病者の自分を嘲笑う。
毎日毎日、頭の中で繰り返したあの日。あの日に戻れたのなら、なんてそんな陳腐な台詞が浮かぶほどには、自分は君を好いていたらしい、と呆然とする。好きとか、愛してるとか、そういう恋愛的なものではなくて。それでいて、綺麗じゃない感情で。
だから。物語は、君と紡げないのなら自分にはもう必要なかった。
11/30/2025, 2:44:37 AM
「失われた響き」
あなたが世界から失われて、どれくらい経ってしまっただろうか。
あなたの名前を呼ぶ声も、もうずいぶん前に聞こえなくなってしまって、その響きを懐かしく思う誰かも減ってしまったのかもしれない。
それでも自分だけは、失われた響きをいつまでも想っていたいと、そう、願っている。
11/15/2025, 11:56:54 AM
「木漏れ日の跡」
木漏れ日の跡、どこかにあなたがいる気がして、そちらを見やる。それでもあるのは、晩秋にふさわしい枯れかけの葉ばかりの木々だ。その度に、そりゃそうだ、なんて口に出してみて無理に自分を納得させている。
木漏れ日の跡、それはあなたと生きた自分のいきどまり。
11/14/2025, 2:31:59 PM
「ささやかな約束」
あの人とした、ささやかな約束。ささやかすぎて、あの人は忘れてしまっているかもしれないけれど。自分だけがいつまでも思っているにすぎないかもしれないけれど。素直な心に従って、あの道を歩いていこうか。
そして、もしまた会えたら、初めて出会った時と同じ言葉をかけてみようか。
10/6/2025, 2:37:52 PM
「燃える葉」
凍る葉。枯れた葉。生きた葉。落ちた葉。
全部綺麗、と君が言ったから、まだ自分は死ねないな。
君の代わりに、どんな葉も見てみたい。
紅葉。それは燃える葉。君と自分が1番好きな葉。