バレンタインは、約二百年の歴史を持ち、世界中で愛されている「スコッチの王道」とも評されるブレンデッド・スコッチウヰスキーの銘柄である。
あ、それ、バランタインだね。頭文字もBだね。
コホン。
西暦二百六十九年二月十四日に処刑された、司祭ウァレンティヌスが聖ヴァレンタインの正体である。当時のローマ皇帝クラウディウス二世は、「若者が戦争へ行きたがらないのは、故郷に残る家族や恋人と離れたくないからだ」として結婚を禁じていたが、密かに結婚式を執り行っていたのがこの聖人だ。以降彼は愛の守護聖人となった。
如何に著者に縁がない日かお分かり頂けると思う。
【バレンタイン】
学校の最寄り駅で待ち合わせをしていた。
相手は同級で仲良くしてくれる人。
待てど暮らせど、いつまでも来ない。
約束の時間をだいぶ過ぎて、当時は携帯以前だったので、公衆電話から彼女の家に電話した。
「ごめん、今起きた」
とても眠そうな声が返ってきた。
さて、彼女の家からこの駅までおよそ半時間。この分だと支度もまだしていなさそうだ、と考え、わたしは本を広げてのんびり待つことにした。
【待ってて】
わたしが伝えたいことは、心を病んだことがある人にしかわからないことである。例えば、うつで苦しい時、人に助けを求めているのに、差し出された手を何故か振り払ってしまう言動が見られること。攻撃的になったり、内罰的になったり、自分のことでいっぱいいっぱいで、周囲を振り回してしまいがちなこと。
これらは当人の自我からくる言動とは分けて、うつがさせている言動だと認識したほうが良いと思う。
実際わたしもうつがひどい時は自分を守るために攻撃的になったし、家族もそうだった。「こんなに◯◯しているのにどうして」は禁じ手である。この思考に陥ると自分もうつになる。うつは移る。
心を病んだら専門医へ。素人に出来ることは少ない。
【伝えたい】
わたしはこの場所で生きていて良いのだろうか。
時々自問する。
生きていることを赦されるのだろうか?
自分には価値がないと感じている。
生きる意味もなく、漫然と生きている。
時に希死念慮に心を侵される。
こんな自分が生きていていいのか。
親はわたしに「早くしね」と怒鳴りつけた。
わたしが病気がちだから。
病気は全て「怠け病」と呼ばれ、病院にいけなかった。行かせてもらえなかった。わたしの腕は捩れた。喘息で死にかけた。苦しかった。
でもあの時逝っていればと思う気持ちは強い。
【この場所で】
自分の出来ることは他人にも出来る。
自分の常識は他人にとっても常識である。
そんな風に考えているのではないかと思ってしまう。
世の中の多くの人達は。
わたしは違う考えを持っている。
自分の出来ることが他人にはできないこともある。
自分の知っていることを知らない人も居る。
わたしの常識は他人の非常識。
だから話し合うのだ。
と、思っている。
誰もがみんな分かり合えるなんて、幻想に過ぎない。
【誰もがみんな】