十人十色
こんな言葉があるように
人間は色んな人がいる
普通でなくていい
個性を大事に、大切に
個性を持つのが大切だ
もう聞き飽きてしまったその言葉
愚直に信じそうあろうとした
かつての私
確かに突出しているものは
大事かもしれない
確かにそのような人が
輝くのだろう
でも、私はいつの日か
その言葉を信じなくなっていた
色とりどりに輝くのが
私達だったなら
その鮮やかな色が混じった時
何色になるのだろう
灰色か黒か
混ざりあって主張する色達は
恐ろしい色になっていく
私が誰よりも進んで
黒色に染めていると気づいたから
透明になるよう努めた
薄いパステル色にはなれない
どんな色と混ざっても
可愛らしく染めるパステル色には
綺麗な白色にはなれない
どんな色と混ざっても
穏やかな色に変えてしまう白色には
それなら透明色になるしか
ないじゃない
どんな色と混ざっても
何も変わらずつまらないだけの透明に
いつしか私の色は消えていった
私の色を受け入れてくれる
美しい色が消えたから
自分で隠して消していった
いつの日か私の色が
輝けるそんな世界が
出来たらいいな
そんな幻想を抱く私は
今日も透明になる事を
目指すんだ
雪
降っている時は真っ白で美しい
見る人を魅了させる幻想的な物
でも、ふわりと道路に落ちた
雪の未来は悲しいばかり
踏みつけられて固くなって、
だんだん黒くなっていく
黒く固まった雪はもう動かせない
溶ける時までずっとそこにいる
まるで波に翻弄された
私のよう
何も知らなかった頃
柔らかくってふわふわしてて
真っ白だったはずなのに
くすんで硬まってしまった
私の心はもう白くはなれない
いつか地獄落ちるその時まで
ずっとずっと踏みつけられる
くすんだ心には
誰も見向きもしない
もし真っ白でなくても
ずっと美しく輝いている貴女が
私の近くにいてくれていたら
いつか私の溶けた水を浄化して
真っ白な雪に戻してくれたら
それはただの愚かな幻想
私はずっと道路で溶けるのを
待っている
寒々とした風と共にありながら
清らかな冬晴れ
清々しい快さと
虚しさを何処か感じる冬晴れ
気分によって感じ方が
変わる冬晴れ
もう心がぽっかり空いたような
泣きたくなる虚しさしか
感じなくなってしまったけれど
綺麗な冬晴れを喜んでいた頃を思い出す
冬晴れは私の傷跡に木枯らしを
吹き込ませるのだから
苦しくなるのは当たり前
私は知っている
この握り潰された心を
元に戻して清らかな北風を
喜べるようにできるのは
貴女だけだと
だから私の傷は広がるばかり
心の穴は治りにくいのだもの
いつか真っ白な雪風のように
綺麗な心になれたらいいな
幸せとは何か。
幸せを享受していながら不幸を嘆く
愚かな私に分かるわけがない。
自身を肯定し生きがいを見出すことか。
愛し愛される本当の愛情を見つける事か。
それともやはり
自分が幸福だと思うことか。
でも何故だろう
愛情ごっこのような辛い愛を向けて
人に依存し縛り付けて
それでもそれが正しいと
いつまでも笑っている貴女の方が
ずっとずっと幸せに見える
幸せって、なんだろう
分からない、分からないよ
まぁ、何も満たさない私には
関係ないのだけれど
沢山苦しい事があった。
泣きたいこと。
死にたいこと。
思い出せばきりがない。
あぁ、貴女の愛を失ったのも
今年だったな。
あぁ人を信じられなくなったのも
今年だったな。
でも、確かに、少しかもしれないけれど
楽しいこと、幸せなことがあった。
砂漠の中に埋もれた砂金のように
見つけるのは、思い出すのは
大変かもしれない。
それでも、この1年、
得たものがあって、
学んだことがあって、
そして幸せなことがあった、
そう言えたらいいな。
あと少し
お正月までの時間
辛いことと向き合いながらも
楽しかった事を思い出していきたい。