ソラシド

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9/9/2024, 6:39:15 AM

#胸の鼓動

電気を消して、布団に入って、目を閉じる。
視覚をシャットダウンすると、部屋の空気とか、外で走り回るバイクの音とか、新調したフレグランスの匂いとか、他の感覚器官が鋭くなった。
眠る直前までスマホを見ていたからか、脳の思考も活発化してしまった。その証拠にいろんなことが頭の中をぐるぐると渦巻いている。一日の行動をなぞるように、一人反省会。
苦しくなる気持ちを、深呼吸して落ち着かせた。

意識的に、呼吸を繰り返す。

吸って、吐いて、吸って、吐いて。

胸の鼓動を感じていると、独りなのに、心が少し大丈夫になる。
不安な夜もいつの間にか終わってて、朝日が昇る。

それの繰り返し。

9/6/2024, 9:58:39 AM

#貝殻

砂浜で見つけた綺麗な貝殻。

あの人にあげたいな、って
思う気持ちは
きっと愛だ

いいな、って思ったもの
あの人に見せてあげたい。

こんなにも、素敵なものがあったこと
あの人にも教えてあげたい。

毒にも薬にもならないような、やさしい愛が好き。

9/5/2024, 4:46:07 AM

#きらめき

日常のあちらこちらに潜むきらめき。

強くはない。存在感があるわけでもない。
キラキラしてるわけではなくて。

そっと、そこにあるような感じ。
何も言わないで、誰にも気付かれないのに、
素知らぬ顔で、ただ静かにそこにあるきらめき。

気付ついた瞬間、きらめきの欠片が輝き出す。
どんな小さな欠片だろうとも。

見つけてって叫ばなくても
色とりどりの宝石で飾らなくても

気付いている。

私のなかに、もうきらめきがあるって、
私は知っている。

9/2/2024, 7:35:07 AM

書きたいのに、書けない。
上手く文章を書かなければ。読み返すたびになんだか気持ちが悪くて、結局全部消した。あーあ、また書けなかった。
せっかく書いたのに。

また、消しちゃった。

8/31/2024, 10:38:30 AM

#香水
匂いって、強烈だ。

どんなに忘れていても、その香りを鼻に感じれば、一瞬にして脳裏にその存在を思い出してしまう。

私の日常生活から香りを消して数年、今も近い存在なのに、遠くにいるような。確かに存在はあるのだけれど、意識して考えないといけないくらい、私の中で彼の存在が薄れてゆく。

自分の一部だったものが欠けるような感覚。記憶の中での彼が、だんだんと不透明な色になって、どんな風に笑っていたのか、どんな声だったのか、どんな音で名前を呼んでくれたのか、はっきりと思い出すことができない。

いろんな音と匂いの混じる町で、覚えのある香りに、私は思わず立ち止まった。間違えるはずがない。私の隣で香水を撒き散らしていた彼の、あの匂いだ。
だけど、周りを見回しても、彼の姿は見つけることができなかった。世界にひとつしかないわけじゃないし、きっとありふれてる香りだ。たまたま同じものを使っていた別の人かもしれない。
仮に、もし彼だったとしても、私はこの人の往来の中から彼を見つけるのは難しいだろう。

顔も、声も、存在すらも薄れていくのに、匂いだけは、ハッキリと覚えていた。
香水は、香水にしかすぎないのに、彼が使っていたというだけで、あの香りは彼だということが、脳に刻み付けられている。

次第にぼやけてゆく視界に、ふわりと柔らかい香りが舞う。

「はっ。なんだ、変な顔だな。」

顔上げると、こちらを見下ろすニヤケずらと目が合った。途端に、香りが強くなる。
引き金みたいに、埋もれていた記憶が一斉に弾け出した。

私は知ってる。覚えている。ただ、考えていなかっただけで。
ちゃんと、この人のことを、知っている。

「うっさい。」

瞳に宿る熱を誤魔化すように、私は乱暴に口を開いた。

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