ほむら

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6/18/2024, 11:03:59 AM

空を散歩する夢を見た。透き通るような青空を、文字通りふわりと浮きながら歩いていた。下を見ると、家やマンションが小さく見えるくらい、高いところにいたのだ。何者にも邪魔されないその時を私は楽しんでいた。

しかし、いきなり身体が動かなくなった。歩け、と念じてもビクともしない。次第に、浮く力を失ったらしく、真っ逆さまに落下していく。何かに掴まろうとしても掴めるものはなく、腕を振り回しても止まることはない。落ちる速度が早くなり、近づく地面に恐怖を抱きながら私は空を見下ろした。

「…はっ!?」

地面に着くかどうかのタイミングで私は目を覚ました。どうやら机でうたた寝していたらしい。居眠りじみた体勢で寝てたらそりゃこうなるよな、と思った。

「おや、大丈夫ですか?」

彼も近くに居たらしく、私が勢いよく起き、机をガタッと鳴らしたことに驚いていたらしい。私は小っ恥ずかしい気持ちになりながら、大丈夫と答えた。

テーマ「落下」

6/17/2024, 11:12:06 AM

「あなたとなら、温かい家庭が築けそう」

休みの日の昼下がり、私たちはソファでくつろいでいた。隣に寄り添って、幸せな気持ちになった私の口からは、そんな言葉が出た。

「そうですね、今は二人きりですけれど、いつかは子どもも欲しいですね」

彼も優しく微笑みながら、そう答えてくれた。もし子どもが生まれたら、どんな子だろうか。私に似るのかな、彼に似るのかな。そして、どんな事に興味を持つのかな、とお互いに家族を持った未来を思い描く。

「どんな子でも、私たちの子どもだから、大切に育てようね」
「はい!お互いにとって、とても可愛い子になること間違いなしですから」

テーマ「未来」

6/16/2024, 11:19:44 AM

「それじゃ、気をつけてね。幸せになるんだよ」
「はい、行ってきます」

1年前、私たちは親元を離れて2人で暮らすことになった。それは私が就いた仕事の都合で、離れざるを得なかったからだ。それでも、彼は一緒に付いていくと言って、2人で実家から旅立った。

電車に揺られながら目指している先は、遠く離れた見知らぬ場所。行ったこともない、土地勘もない所だった。笑顔で手を振ったはずなのに、いざ離れると寂しい気持ちが込み上げた。静かに流した涙を、彼は見逃さなかった。

「大丈夫ですよ。俺がついてますから」
「あなたは、故郷を離れて寂しくないの?」
「全くそう思わないわけではないですが…あなたと暮らせる楽しみの方が大きいです」

彼は私の涙を拭いながら、微笑んでそう言った。ほら、外の景色が綺麗ですよと言われて車窓を眺めると、建物だらけだった故郷の景色から、山や川など、大自然の景色に変わっていた。クロスシートに向かい合わせで座りながら、車窓を眺めたり、談笑していたりしているうちに、私も楽しみの方が多くなっていた。

「そんな事もあったねぇ」
「はい、あれから1年経ちましたが、あっという間でしたね」

今ではしっかりと生活できているし、実家とも連絡を取り合っている。そろそろまた実家に帰ろうね、と私たちは帰省も兼ねた旅行の予定を立て始めた。

テーマ「1年前」

6/16/2024, 12:25:10 AM

「あなたって、いつも本を読んでいるよね」

私は本を読んでいる彼を見てそう言った。暇があれば彼はスマホをいじるのではなく、本を読んでいるのだ。今の時代には珍しいなぁ、と思いつつも、彼が椅子に座って本を読んでいる姿は様になっている。

「はい、本の知識に助けられたことも多いので」
「あなたって、好きな本とかあるの?」

彼がいつも読む本はブックカバーがかかっているので、どういう本を読んでいるのか私には分からなかった。

「そうですね、ミステリー系をよく読みますね。推理小説で頭を使うのが好きなんですよ」

確かに、彼は聡明な人なので推理小説を読んでそうなイメージだった。私もドラマとかでサスペンスをよく見たりするが、本は読んだことなかったなぁ。

「私も推理小説は興味あるんだけど、読んだことないから少し教えて欲しいな」
「それなら、最近面白い本を読んだので、今度貴方に貸しますよ。これは初心者でも読みやすいはずなので」

そんな会話をしているうちに、たまには読書もいいなぁと思い、その本を読むのが楽しみになった。

テーマ「好きな本」

6/14/2024, 10:14:26 AM

今日の空模様は、雨が降りそうな空なのに、少し青空も見える、あいまいな空だ。彼女は傘を持たずに出かけてしまったが、帰りは大丈夫だろうか。そんな事を考えながら本を読んでいると、いきなり雷鳴が鳴り響いた。窓から外を見ると、土砂降りの雨が降り始めた。

彼女は雨に降られていないだろうかと心配になると、近くに置いてたスマホにメッセージ通知が来た。

『いきなり雨降ってきたから雨宿りしてる!帰り遅くなると思う』

そのメッセージに既読をつけた俺は、彼女がどこにいるのか聞くメッセージを返した。

『𓏸𓏸ってショッピングモール!』

そこは家から少し距離のあるショッピングモールだった。通り雨だし、すぐに止むとも思ったが、俺は傘を持って彼女を迎えに行く準備をした。

テーマ「あいまいな空」

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