空を散歩する夢を見た。透き通るような青空を、文字通りふわりと浮きながら歩いていた。下を見ると、家やマンションが小さく見えるくらい、高いところにいたのだ。何者にも邪魔されないその時を私は楽しんでいた。
しかし、いきなり身体が動かなくなった。歩け、と念じてもビクともしない。次第に、浮く力を失ったらしく、真っ逆さまに落下していく。何かに掴まろうとしても掴めるものはなく、腕を振り回しても止まることはない。落ちる速度が早くなり、近づく地面に恐怖を抱きながら私は空を見下ろした。
「…はっ!?」
地面に着くかどうかのタイミングで私は目を覚ました。どうやら机でうたた寝していたらしい。居眠りじみた体勢で寝てたらそりゃこうなるよな、と思った。
「おや、大丈夫ですか?」
彼も近くに居たらしく、私が勢いよく起き、机をガタッと鳴らしたことに驚いていたらしい。私は小っ恥ずかしい気持ちになりながら、大丈夫と答えた。
テーマ「落下」
6/18/2024, 11:03:59 AM