2/19/2024, 10:35:05 PM
枯葉が舞うこの季節
君が去った
冷たいベッド
かすかな君の髪の残り香
君に似た人とすれ違うと
僕はその香りを 追い求めてしまう
君の肌のぬくもり
今はもう冷たい僕の左側
僕にささいな日々の喜びをくれた
ありがとう
そっと空に呟く
ちくしょう
そんなこと 夢にも思ってないのに
【枯葉】
2/19/2024, 8:45:29 AM
「今日にさよならするんだ」
君が、手紙を火にくべた
風に乗って、灰が空を舞う
「もう、忘れたいの」
君がつぶやいた
そうだよ 忘れちまえよ
俺が君の思い出を
全部上書きしてやるよ
【今日にさよなら】
2/17/2024, 11:48:18 AM
「これがお気に入りなのよ」
君が微笑む
俺はロードバイクのことなんか
ちっとも分からない
でも君がそう言うなら
これはいい空気入れなのかもな
【お気に入り】
2/16/2024, 10:38:54 PM
「俺は、君が好きだよ。誰よりも……会うたびに、あなたのことが好きになった。諦めようとしたこともある。でも、無理だった」
「恵介くん……」
「寂しいときには、あなたのそばにいたい。嬉しいときは、真っ先にあなたに伝えたい。悲しんでいたら、あなたを元気付けたい。この思いは、いっときの感情じゃないんだ」
俺は、まっすぐ結衣を見つめた。
「ありがとう。でも本当に私でいいのかな? 6つも歳上なのに……」
「俺には、あなたじゃなきゃダメなんだ。年なんて関係ないよ」
「……ありがとう」
結衣は、笑いながら涙ぐんでいる。俺もつられて笑顔になった。
【誰よりも】
1/24/2024, 12:47:25 PM
照花は、古い苔むした岩の上に登った。
俺は太陽をまともに受け、眩しそうに、手をかざしながら見守っている。
「さあ、始めましょう。」
逆光のなか、照花が立ち上がるさまが見えた。
巫女と神官、という立場でなければ、真っ先に君に思いを告げるのに。
【逆光】