4/30/2024, 4:10:43 AM
天使がいるというあの場所は
今も清廉な空気をたたえているだろうか
杉林に囲まれた あの野原
白い林檎の花 赤い野薔薇
柔らかい草 杉の葉の匂い
パチパチとはぜる木の枝
幸せな時間
僕は目を閉じて 雨の匂いを感じる
天使よ僕の町まで
風に乗って 森の香りを届けておくれ
【風に乗って】
4/21/2024, 4:17:14 AM
君がいたら何もいらない
なんてことは言わない
僕は性能がいいパソコンが欲しいし
ニキビに負けない綺麗な肌が欲しい
テンションが上がる部屋も欲しいし
気楽に海外に行けるお金も欲しい
心の支えになる友人や
決断の背中を押してくれるメンターも
地位や名誉だって
あるにこしたことはないと思ってる
そう つまり僕は欲張り
でもそもそも 君がいない世界なんて
欲しいっていう衝動が
湧いてこないかもしれない
つまりその 僕が言いたいのは
君がいる世界は豊かだってことさ
【何もいらない】
4/19/2024, 11:23:16 AM
「もしも未来を見えるなら、どうする?」
君が言った
そうだなあ やっぱり 君と僕の子どもが見たいかなあ。
なんてことは言えるわけがない。
僕は黙って目を逸らした。
「わからないな、君は?」
「私は……。そうね、この場所がどうなっているか見たいな」
「ここが?」
「そう。ここは、私の神聖な場所だから」
【もしも未来が見えるなら】
4/18/2024, 11:36:53 PM
路地を入ると そこは無色の世界だ
マリオンや銀座ブランドショップの前を
声高らかに行き交う外国人観光客
彼らと隔絶された静かな世界
ほんの一歩 道を入るだけなのに
誰も見ていないこの場所で
僕はようやく息を吹き返す
【無色の世界】
4/17/2024, 11:53:36 PM
桜散る この季節
新しい世界がやってくる
胸を打つ この鼓動
どんな人と知り合えるのだろう
僕の前に 道はよく見えない
僕は行く 不確かなこの道を
それがたとえ孤独でも
みじめで みっともないもので
あったとしても
【桜散る】