「俺は、君が好きだよ。誰よりも……会うたびに、あなたのことが好きになった。諦めようとしたこともある。でも、無理だった」
「恵介くん……」
「寂しいときには、あなたのそばにいたい。嬉しいときは、真っ先にあなたに伝えたい。悲しんでいたら、あなたを元気付けたい。この思いは、いっときの感情じゃないんだ」
俺は、まっすぐ結衣を見つめた。
「ありがとう。でも本当に私でいいのかな? 6つも歳上なのに……」
「俺には、あなたじゃなきゃダメなんだ。年なんて関係ないよ」
「……ありがとう」
結衣は、笑いながら涙ぐんでいる。俺もつられて笑顔になった。
【誰よりも】
照花は、古い苔むした岩の上に登った。
俺は太陽をまともに受け、眩しそうに、手をかざしながら見守っている。
「さあ、始めましょう。」
逆光のなか、照花が立ち上がるさまが見えた。
巫女と神官、という立場でなければ、真っ先に君に思いを告げるのに。
【逆光】
「変わらないものは、何もないんだよ」
「そっか……」
「俺たちの関係だって。いつかは終わるものだったんだ。悲しいけど……」
そして君は出て行った。
せめて楽しかった2人の思い出は、胸にとどめておきたい。
ガランとした空間に、2人で過ごした日々のかけらが漂っていた。
【変わらないもの】
「お前、ほんとに釣りに行くのか?」
「うっせえなあ、俺がどんなクリスマスの過ごし方をしても、勝手だろ!?」
俊彦は訴えた。
「そりゃそうだけど、何も船まで借りなくたって……。」
「この時期じゃないと、釣れない魚があるんだから、仕方ないだろ!?」
「わかったわかった。じゃあ、この子には忙しいって返事しとくな?」
「な!……ちょっと待て! それを早く言えって! 今どこにいるんだ?」
【クリスマスの過ごし方】
「ここは、夢と現実の間の世界。」
鏡は言った。
「え?」
「あなたがこうなりたい、と思った方向に、私は導く。例えそれが、マイナスのことでも。」
「どういうことだ!?」
「こうなりたくない!と願えば、なりたくないというその思いを、強く受け取ってしまう。だから、こうなるといいなという、イメージを大切にしなさい。」
「なるほど、イメージか……」
明須海は、手にした鏡をもう一度見た。
【夢と現実】