『桜散る』
桜は散ってしまう
友人との楽しいお喋りの一時も
いずれ終わりが来るし
あの喫茶店で飲む甘いミルクセーキも
いつかは無くなってしまう
今ある若さもいずれは老いてしまうし
この人生もいつかは終わるんだ
終わった後を考えるんじゃなくて
その時をどれほど楽しめるかで
その価値は変わるだろう
『夢見る心』
ラムネの瓶の奥にビー玉が見えて
そのビー玉は何より輝いてた
炭酸の泡はその玉の表面を撫で
浄化されるように上へと昇ってる
そんな夢を見た町の駄菓子屋は
もうやっていない
褪せたタバコの看板と
笑顔で出ていく子供たちの幻影
そこに幸せはあったのだ
そこで飲んだあのラムネのビー玉は
僕のブリキの宝物入れにしまってある
でも開けれない
何故かその記憶が逃げてしまいそうで
もう思い出が消えていそうで
「届かぬ想い」
この習い事して欲しいとか、
こう育って欲しいとか
今のうちに勉強ちゃんとしといて欲しいとか
色々あの子に思うけど
それは結局自分がなって欲しいだけで
それがあの子の幸せかは分からない
この私の欲求は届かないし
届かなくていいと思う
だって、ただ幸せになってくれればいいから
『神様へ』
焼酎の水割りをください
安い焼酎で構いません
冷たい家族も疲れる仕事も
見えない明日も信じきれない国の未来も
明るく見えない人生も
それさえあれば楽しめます
酒の肴にできますゆえ
焼酎の水割りをください
それだけで十分です
『快晴』
ベッドに飛び乗って寝る支度をして
眼鏡を取って、携帯を充電して
そして布団を自分にかけて瞳を閉じて
そうして自分は海の底に沈んでいく想像をする。
ゆらゆらと揺れる水面の光を浴びて
周囲はどんどん暗くなっていって
力はどんどん抜けていく
まるで海の底にある貝殻のように
いやもはや水のように
そしてふと目を開ければ
水面から光が刺して
光に持ち上げられるように浮かんでいって
ぐちゃぐちゃになった布団に
寝相が悪い私が身体を起こす
海の底から見た空は純白そのものであり
快晴であった