『遠くの空へ』
ふとカーテンを開けて外を見ると
空には貫通させられたような
穴の空いた雲がある
その穴を通して空を見つめ
思い馳せれば
その雲の穴から見た空と通常の空は
違うものに見える
まるで穴に色ガラスが付いているようだ
そしてふと遠くにいる異国人を憂いた
午前10時だった
『言葉にできない』
なんか変な感じだなとか
なんかしっくりこないなとか
なんか気持ち悪いなとか
なんかむず痒い感じがする
俺は頭が良くないから
それを人には伝えれないけど
この感覚は案外間違ってなかったりする
でもひとりでやってないから
説明できなくて
結局そのまま続けちゃって
あーやっぱりなんてこともある
言葉が追いつかない者にとって
論理よりも勘の方が
確かに信頼できる仲間だ
でも少しおちゃらけて
「勘なんですけど〜」って
言うことしかできない
『春爛漫』
新しい環境に入り
新しい仕組みに入り
新しい関係に入り
新しい苦労を知り
新しい壁を知り
新しい現実を知り
見渡せばたくさんの花が咲き誇り
暖かく煌めいたその春風は
私たちに見せるように急かすように
私達も蕾をつける準備をし
開花に向かって春風も冷たい雨も吸い込む
さぁ
自分の花はどんな花なのだろう
『誰よりも、ずっと』
私の母
それは、この田舎の街の緑の全てであり
それは、この空の続くまで全てであり
それは、この踏みしめる地面が自分を支える限り
母である
夜に寝ると
これらの母に包まれて
羊水の中でふわふわと浮きながら寝ているみたい
自転車で走り出せば
風は共に走ってくれる
口笛を吹けば
虫が私の周りを踊るように飛び回るのだ
幾度となくコケて
幾度となく空を見上げて
幾度となく下を見て歩いた
その度に母はいたのだ
私に手を差し伸べていた
誰よりもずっと
私も救われている
誰もがきっと
『これからも、ずっと』
日々に浮遊感を感じて
何処か掴まれるところを探して
手を伸ばしても弾かれて
やがて身を任せた
私は銀河の川をゆるやかに下り
いつしかすみっこのほうに定住していた
自分の意思ではないしそこに名前はないが
とても住み心地が良くて
今日もそこで大きく息を吸って
ゆっくりと吐いた