何をして
気を紛らわせても
君が消えない
音楽を聴いていても
本を読んでいても
いっそこの
静寂に包まれた部屋で
君に浸ろう
君に浸りきって
涙に浸りきって
そうやって
そのうち君に
飽きる事が
出来ればいいのに
「静寂に包まれた部屋」
別れ際には
何の素振りも
見せなかった
いつも通り
二人の楽しい明日を
信じてた君は
不安顔で今
迷子になった風みたいに
隙間を探してる
いつからか
一つ一つ
扉に鍵をかけ始めた
あの日
君にとっては多分
何気無い会話
そして
僕にとっては
トリガーになった
信頼を崩した会話
あの後に僕は
最後の扉に鍵をかけた
突発的だった
それは否めない
けど
そうさせたのは君
分かっているから君も
もう
ノックも出来ないでいる
いつまで経っても
あやふやで
笑顔で綺麗にさよなら
なんて
関係でもなかった
だから
言い訳さえお門違いで
虚しくて
せめて少しだけ
泣いて欲しくて
突き放すように
黙って消えるしか
僕は…
ごめんよ
僕は
君が思うような
いい人ではない
心配しないで
こんな事
大した事じゃない
そう
君は
「友達」一人
失っただけ
「別れ際に」
激しく降り注ぎ
何事も無かったように
去って行った
通り雨の中
ずぶ濡れの二人が
一つの傘の中
少しの間
立ち話しただけ
そう
ほんの束の間
肩寄せあって
冷たい雨から
身を守っただけ
そんな恋だった
優しい時間に
心地良さを感じながら
互いに
本当を口にはせず
探りあって二人
少しづつ近づきながらも
ブレーキから足を
外さなかった
ふと脳裏に甦る
切ない痛みの記憶
あれは
いつの事だったろう
また雨が来て
土砂降りになる前に
先に傘から
飛び出したのは私
雨の冷たさに
芯まで冷えて
心まで凍えて
動けなくなる事
知っているから
「通り雨」
「あき」
という響きが好き
「あき」
がつく名前だと良かった
今年も
秋色の靴を買った
真新しいこの靴で
何処に行こう
枯葉を踏み締めながら
ただ歩く
それだけでいい
いつも癒されるのは
自然の景色
凍える季節を前に
気分は少し
センチメンタル
そうこうしているうちに
あっという間に
白い妖精が
降りてきそう
「秋🍁」
カーテンを開けると
動き回りながら
餌を啄む雀たち
おはよう
今日もいい天気
見渡しても
見たい景色は
ここからは見えない
いつもと変わらない
絵にもならない
見慣れた景色があるだけ
貴方が偶然通りかかる
なんて事
あるはずもなく
動かぬ貴方に会えるのは
この手の上にある
小さな窓の中だけ
もうすぐ
この窓の中の
景色も変わる
次の季節までには
真っ白に染まり
何も見えなくなるだろう
探す手だてを
一つずつ消した
探される道を
一つずつ閉ざした
探しながら
消して
探されては
見ないふりして
求めながら
手放した
馬鹿な私と
泣き笑いしながら
想い
断ち切るために
全て
忘れるために
「窓から見える景色」