moooosha

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2/21/2024, 7:49:08 AM

【同情】


同じクラスのなほこちゃんは
みんなのお姉ちゃんみたいな
とってもすてきな女の子。
ついつい困ったことがあると
なほこちゃんの方を見てしまうし
なほこちゃんもこちらを
見てくれている気がする。

なほこちゃんみたいに
自分から元気に
あいさつできる子になりたいな。

かけっこでも
算数のテストでも
お絵描きでも
表彰されるなほこちゃんみたいに
なりたいな。

なほこちゃんがいないと
クラスがしんとしずかなのは
みんな同じ気持ちなんだろうな
太陽のでていない朝みたいな
少し寒くてとっても寂しい
気持ちなんだろうな。

みんなが憧れてるゆうくんに
バレンタインチョコをもらった
っていうのもゆうくんが言ってた。
オレが1番に
チョコを渡したんだって
自慢してた。
とってもいいな。

中学校一年生で生徒会に入って
三年生では生徒会長になった
いいな、いいな。

高校も推薦で決まったのに
公立に行く私ともお勉強してくれる
すごいな、いいな。

大学で留学した時に
絵手紙を送ってくれた。
小さい頃と変わらず
ニコニコのなほこちゃんを真ん中に
青い目のすてきな男の子や
赤毛の女の子と肩を組んで写ってた。
いいな。いいな。

頑張ってじゃなくて応援してるよ!
っていつも言ってくれるなほこちゃん
すごく素敵で、すごくいいな。


焦がれるばかりの
そんな自分をあわれんで
かわいそうにおもって

なほこちゃんを恨んでる。

2/20/2024, 9:14:38 AM



枯葉(かれは、こよう)



もっとそっちに行けないのかよ
むりだよ、お前の横もっと詰めれるだろ
なんでだよ、俺は一番最初からここにいたんだよ
うるさいなあ、静かにしていられないのか君たちは

醜い言い合いにマムは大きくため息をついた。大地を揺るがすような強い風が意志を持って彼らを諌めている。

ごめん、マム
いい子にするから、怒らないで。
そろそろ独り立ちの頃合いだ、最後くらい仲良くしよう。
そうだ、そうしよう。

やがて一人ずつ、マムのもとを去る。
そのときはマムも彼らの旅立ちを祝い、柔らかく大きく手を振る。

まもなくこよう、その時までは子らの喧騒に耳を澄ませて、マムはどっしりとそこに息づく。

2/18/2024, 12:14:26 AM

血液型への(明るい)偏見を含みます。
ご不快になりうる方はお避けください。
では、いってみよう✊✨


———ハタチの時、つるんでいた仲間にイヤイヤ連れて行かれた献血で看護師さんに「B型ですね」そう言われて血液型を知った。私はそれに「いやです、OかAがいいです」と言った。

その日から世界が変わった。

残念なことに世の中のイメージとして、B型は自己中心的でわがまま、気分屋で敵が多いタイプだと聞いていた。だからこそ【嫌われてはいけない四女】として育った私は終わったと思った。すでに、血が嫌われているではないか。

しかし世界はそんな私に新しい風景を見せてくれた。いつもみていた池袋の汚いビル群が、やけに高く高く自信ありげに見える。比べて人は小さく見える。箱庭的な感覚、私たちは神様が配置したジオラマ世界で生きている。ふと、そう思った。ああ、そうか人はこんなにも小さい存在なのだと自覚した。

つるんでいた仲間は私のことを「思っているより小さい」と言っていた。声も態度もでかいのに実際はチビ、ストレートにそういう意味だった。仲間がそういうのも無理はない、183センチから173センチに囲まれた156センチはそらチビだ。それに対して毎度「うるせっ!」と、やんや言うというのが定番のノリだった。そんな日々の中で実は少しだけ、仲間はずれにされているような、ささくれだった気持ちにもなっていた。みんなが見てる世界とは違うのかな、と。

だからこそ「ビルと比べたらお前らもチビだ!」と言えるようなったことは私にとって奇跡だった。嫌われてもいい、口にしてみよう。そんな一歩目だった。
最初はいつもと違うノリで仲間も多少面食らってはいたようだが「いいねぇ〜どしたB型ァ」と今度はB型をいじってくるようになった。

B型は自分の世界が好き。
B型は自分の世界を持っていること、に自信がある。
B型は自分の世界を好きな人にオススメするのが好き。

否定されて嫌われて孤独であっても、人は1人で死んでいく。だから別に良いではないか。評価されるまで待つだけなら、評価を待たずにその先へ行ってやる。

血による分類に否定的な意見も勿論あるだろうが、嫌われないようにビクビクしながら生きてた自分より、B型と診断された自分を、私は気に入っている。



【あとがき】
冒頭の看護師さんとのやりとりの時点で、私の中のB型が漏れ出ていたことは内緒🤫

2/17/2024, 12:27:40 AM

誰よりも優れた人間になりたくて、前に出ようとしていた日々があったけれど、その日々から抜け出したから、楽になった、なんてから笑いしてみてはいるけれど、それでも誰かと比べたり、誰かを羨んでは醜い自分を嫌ってる。

読み返してないから汚い駄文だろうけど、荒削りでいいとかそう言ってもらえないかなとか下心があったりもする。荒削りって丁寧でないこと、ではないって分かってるけど。

認めてほしい、お前はそれでいいと言ってほしい。さわって、なでて。ほしいほしいほしいほしい。

承認欲求モンスターはこうして生まれて、マトモで自分を律せる人を食ってだんだん異常者しか残らない世の中になっていく。狂っていく。

そうなったとしても、中途半端に煮え切らず燻っている自分は結局、承認欲求ビックバンでは生き残れない。

キラキラ光る炎を見て、いいなぁと呟くこともできずに灰になる。

2/15/2024, 11:39:53 PM

【10年後の私から届いた手紙】

後悔にばかり目を向けるんじゃない。
人に期待をしない練習なんてする前にがむしゃらに動け。
今しかできない、は本当にある。
目も悪くなる、どうがんばったって老けるし太る。
オシャレに興味が湧くうちにやっておけ。
だれが見ていなくても、どこかで芽吹くことがある。
海に遊びに行くならゴミ袋を持って行け、ゴミもあるが、宝物もある。
譲れるうちに席を譲れ。人が喜ぶことを自分が楽しめ。
どうなりたいかより、どうあるか、足元をみろ。
できないことしかできない。
無理をするな。


私には姉がいる。
女らしさを臍の緒と一緒に切り落とされたようなポンコツが3人も。
長女はちょうど10個上。
彼女とは似ているところなんてない。
性別と血液型が一緒なくらいで
ほかの姉との方が長く暮らしているし
何を考えているのかも、わかる。
(次女は揚げ足取りの天才で、三女は自分に甘く人に厳しい、特に私に)

長女は大学卒業後すぐに海外に渡ってしまったので
正直、行動力と勇気に、はてしない距離を感じた。
純粋な尊敬なのだと思う。似ているところなんて、ない。

存在も関係も希薄な姉と
性別と血液型とそういえばかつて、苗字が同じだった。
名前も、一文字同じだった。
芸術のたぐいが好きなところも。
明るい色より暗い色の方が好きなところも。
買ったら満足するところも。
なかなかものが捨てられないところも。
なんだかんだ言って能天気なところも。
困ると愛想笑いをするところも。
猫にメロメロになっちゃうところも。

似てはいないが共通点は多い、だから
姉がいつか言っていたことをまとめてみた。
それが常に私の10年後と想像している。
あの人のように
芯は強く、人に優しく生きる
そんなおばさんになりたい。

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