moooosha

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1/6/2025, 10:44:08 PM

原田 耕二の話。

道端の
手袋をひろう
ハンガーをひろう
蓋のあいたサバ缶をひろう
人の庭の柑橘をひろう
あの子の落としたひとひらのスナックを
大きすぎた子ども用の片靴下を
役に立たないAirPodsの片割れを

鳥として生きられたなら
それは我が子の暖を取るため
明日に命を繋ぐため

しかし私は地を這うやもめ
灰の空の下
公園の薄ぼんやりした常夜灯
ブルーシートの海に囲まれ
自分と自分の熱を抱き
無限に続く彩度のない
夢をみる。
瞼は閉じていないとだめだ。

無限にある白の中から
一番綺麗なものを
穴あきポッケにしまうんだ。
いつか
誰かにあげる日を
瞼を重く閉ざして夢見る。

ひとり ひととき
鳥にもなれず
引き取る息を
耳に感じる。

12/3/2024, 10:23:06 AM

光と闇の狭間で
お題キープ

12/1/2024, 12:30:56 PM

[ドライフラワー]

つまらない話かもしれませんが
短い時間、お付き合いください。

「12月1日はみーちゃんの
お誕生日、みことの日だよ」
田村美琴は得意げに言った。
どうやら12月1日は
[命の日]という
すばらしい日、らしい。

正直興味がなかったので
ふーんと思っていた。
命という字が
「みこと」と読むことと
自分の名前の「美琴」を
かけて喜んでいたらしい。

小学生でこれを理解できるのは
なかなか、賢いんじゃないかと思う。

「誰にも秘密だけど
ドライフラワーって
小麦粉のことだと思っていたの、私」
呆れたことにこれも同じ
田村美琴の言葉である。
今度は小麦粉のFLOURと
花のFLOWERを間違えたようだ。
賢いんだか
ちょっとヌケサクなのかわからない。

うまく行っていると
小さくガッツポーズをする。

普段姿勢がいいのにしょげると
田舎のおばあちゃんみたいに
背中が丸くなる。

ファミレスでは隣に座りたがる
恥を知らない人。

スターバックスの
ブラックエプロンがいると
指名してまで作ってもらう
ミーハーな人。

誰もいない
深夜2時の交差点でも
信号を守る律儀な人。

ハンカチは持ってるけど
誰にも貸せない。
「使ってないからずっと新しい」と
言い張って同じハンカチを
ずっと持っているガサツな人。

でも
「ブーケはカランコエがいい
誕生花だし花言葉も素敵だよ?」
なんて可愛いことも言ったりもする。


「岡崎竜美って
地名があるんだって!
聖地巡礼しようよ!」と
新婚旅行を愛知県に
決めてしまった【岡崎美琴】と
[たくさんの小さな思い出]を
積み重ねて幸せにすることを
ここに誓います。


花言葉になぞらえて
もう一度プロポーズをします。


[あなたを守ります]
ずっと一緒にいましょう。



2024年12月1日 大安

岡崎 竜美

_____________________

たまたま今日が
12月1日だったこと。
#短歌のお題が
「ドライフラワー」だったこと。
今日の誕生花が
カランコエだったこと。
その花の花言葉が素敵だったこと。

命の日という
なんか尊い日だったこと。

岡崎竜美という人名ぽい地名を
目にしたこと。

それらの偶然と
たまたま共通の趣味がある人と
チャレンジをしたことでできた作品。

結婚式での
新郎から、新婦への手紙。
長く一緒にいたから
ちゃんと言えてなかったことが
あったんだと思う。

11/18/2024, 9:51:39 AM

冬になったら

湯川さんは言う。
「また、ここに来よう」

私は間髪入れずに、頷いたけれど
それは叶わない約束だと
直感していた。

[作成中なので、冒頭だけ投げました]
お題キープ。

10/14/2024, 11:48:14 AM

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