moooosha

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3/4/2025, 10:51:35 AM

ひらり


雪も桜も落ちてしまった。
手のひらも、指の隙間も
ひらりとかわして。


起きたのはたまたま。
あまりに静かな朝だったから
自分のため息のような寝息で目が覚めた。

昨夜は遅くまで雨音を聞いていた。
その一粒が
屋根にあたり 流れ
道ゆく人の傘に落ち 流れ
肩、膝、つま先のいずれかに落ち 流れ
地面を冷やす。
そして溜まり 溢れ 流れ。

その様子を妄想しながら
布団の冷たいところを
探していたら
いつのまにか眠っていた。

人は不思議なもので
夢見が悪いと2度と夢なぞ見てたまるか
と思うくせに
今朝のように昨夜の記憶ばかりが
鮮明であると
それはそれで文句を言う。

つまらない朝だと。

無個性の夜
無個性の朝を
受け入れて
目薬を指す。
寝ぼけ眼に目薬が染み渡ると
頭のモヤが晴れ
起きあがろうと思えるようになる。
Xで得たここ最近で一番有益な情報。


やかんで沸かす湯が冷めるまで
10分ほど湯気を出し
ゴクリと飲める温度まで待つ。

頭は冷めても体はまだ
だるい。

今日がどんな1日になるのか
まだわからない。

カレンダーに書いた赤丸は明日。
約一年前につけた印は
消えずに残っている。

タトゥーのようだと思った。

2/14/2025, 12:38:24 AM

かつての飼い主はひどい人だった。
エサはほんの少しだけ
お腹いっぱいなんて体験したことがない。
水だってろくに変えてくれない。

でも大きな手で優しく撫でてくれた。
同じ寝床で大きなイビキを
聞きながらうつらうつらする夜が好きだった。



今のご主人はきっといい人だ。
エサは高級。
水には何やらビタミンがうんたらと言っていた。

でもぼくステータスとしている。



幸せなのかもしれない。



撫でるのだけがうまい飼い主は
寒々しい段ボールの上で動かなくなった。
彼のそばを離れたくはなかった。

一緒に行けたらよかった。

ぼくは

幸せではない。



ぼくたちみたいな可哀想な動物を
集めた場所で
今のご主人と出会った。

目が綺麗と喜んだお嬢さんに
ご主人は「毛艶はなぁ、まぁ餌を食わせりゃ」と言って
ぼくを連れ帰った。



お嬢さんはぼくのことを
きっと大事にしてくれている。



だけど、ぼくは
幸せではない。



幸せになってはいけない。





______________________


何がしたかったんだろうなぁと
書いて、読み返して
思うけど、ワカンネ!

かつてのご主人を裏切りたくない動物。
最初猫のつもりだったのに
いつしか頭の中には犬がいた。

ぼくという一人称と
忠犬のイメージからかな?
不思議な感覚を味わったなぁ。

続きというか
普通に書き直すかもしれない。

ご主人はと飼い主はわざと
書き分けてるんだけど
対等か服従かみたいな違いを描きたかった。

2/6/2025, 12:19:08 AM

ハートトゥハート
heart to heart

♡ two ♡

直列に繋ぐ片一方の時間より
並行にして、声を聴かせて

フランクミューラーの時計。
ハートの形の葉っぱ、カラジウム。

1/6/2025, 10:44:08 PM

原田 耕二の話。

道端の
手袋をひろう
ハンガーをひろう
蓋のあいたサバ缶をひろう
人の庭の柑橘をひろう
あの子の落としたひとひらのスナックを
大きすぎた子ども用の片靴下を
役に立たないAirPodsの片割れを

鳥として生きられたなら
それは我が子の暖を取るため
明日に命を繋ぐため

しかし私は地を這うやもめ
灰の色の空の下
薄ぼんやりした常夜灯
ブルーシートの海に囲まれ
自分と自分の熱を抱き
無限に続く夢をみる。
瞼は閉じていないとだめだ。

無数にある白の中から
一番綺麗なものを
穴あきポッケにしまうんだ。

ひとり ひととき
鳥にもなれず
ひとり ひといき

耳に冷たく。

12/3/2024, 10:23:06 AM

光と闇の狭間で
お題キープ

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