moooosha

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血液型への(明るい)偏見を含みます。
ご不快になりうる方はお避けください。
では、いってみよう✊✨


———ハタチの時、つるんでいた仲間にイヤイヤ連れて行かれた献血で看護師さんに「B型ですね」そう言われて血液型を知った。私はそれに「いやです、OかAがいいです」と言った。

その日から世界が変わった。

残念なことに世の中のイメージとして、B型は自己中心的でわがまま、気分屋で敵が多いタイプだと聞いていた。だからこそ【嫌われてはいけない四女】として育った私は終わったと思った。すでに、血が嫌われているではないか。

しかし世界はそんな私に新しい風景を見せてくれた。いつもみていた池袋の汚いビル群が、やけに高く高く自信ありげに見える。比べて人は小さく見える。箱庭的な感覚、私たちは神様が配置したジオラマ世界で生きている。ふと、そう思った。ああ、そうか人はこんなにも小さい存在なのだと自覚した。

つるんでいた仲間は私のことを「思っているより小さい」と言っていた。声も態度もでかいのに実際はチビ、ストレートにそういう意味だった。仲間がそういうのも無理はない、183センチから173センチに囲まれた156センチはそらチビだ。それに対して毎度「うるせっ!」と、やんや言うというのが定番のノリだった。そんな日々の中で実は少しだけ、仲間はずれにされているような、ささくれだった気持ちにもなっていた。みんなが見てる世界とは違うのかな、と。

だからこそ「ビルと比べたらお前らもチビだ!」と言えるようなったことは私にとって奇跡だった。嫌われてもいい、口にしてみよう。そんな一歩目だった。
最初はいつもと違うノリで仲間も多少面食らってはいたようだが「いいねぇ〜どしたB型ァ」と今度はB型をいじってくるようになった。

B型は自分の世界が好き。
B型は自分の世界を持っていること、に自信がある。
B型は自分の世界を好きな人にオススメするのが好き。

否定されて嫌われて孤独であっても、人は1人で死んでいく。だから別に良いではないか。評価されるまで待つだけなら、評価を待たずにその先へ行ってやる。

血による分類に否定的な意見も勿論あるだろうが、嫌われないようにビクビクしながら生きてた自分より、B型と診断された自分を、私は気に入っている。



【あとがき】
冒頭の看護師さんとのやりとりの時点で、私の中のB型が漏れ出ていたことは内緒🤫

2/18/2024, 12:14:26 AM