懐炉 @_attakairo

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12/27/2025, 3:08:41 AM

ゆくあてのない
美しいよる
きつね 振りかえり脇道それる
笠ふかく 天しれず 足跡たどり先おもわず

無心であることのむずかしさよ旅のもの
枯れ木につもり落つもどかしさよ

先導のもの
なに故 そうも美しくひかる
彷徨えるのなら共に つとめて里帰るなら終に

【雪明かりの夜】

12/25/2025, 1:49:17 PM

 …………ちょっと、ちょっとちょっと、

 ちょっと何してんの!!

「あんた何して、ばっ危な! はやく離れて!」

「観測中だ」

「ライン超えてんだろお!!」





「も〜〜ほんとやめてよ……」
「観測中だと言った筈だ」

 だから安全距離超えてるんだってば。その毛先が触れたらどうなるかわかってます、ちょっぴり焦げちゃった! なんかで絶対済まないって。
「あれは熱を発しない」
「そういうことじゃないんだなぁ」
「あれが何か知っているのか」
「いや……知りませんけど」

 あんまり詳しくは。てか、アレ何?

「触ったらビッグバンが起きるとか……説明されて、質問も許されないまま終わったし」

 はぁ、でも何も起きなくて、ひとまずは良かった。

「…………」
「……あー、あの、もしかして、ここで研究してる人?
だったら邪魔して悪いけど……」
「君がこの空間に居ることに驚いた」

 襟元のピンを見るに、第一の扉も開けられない等級では。

「…………」
「そして未だに此処に居る。興味深い現象だ」
「人を現象扱いしないでもらえます?」

 ……ちゃんと許可は貰ってますから。
 無事に此処から出られた後にね。

「成程」
 観測の時を待っている訳だ。
「そうであれば僕にも、予測は出来ていたのだろうね」
「はぁ! ご自身の長年の経験と、勘ってヤツですか。
そりゃスゴい」
「いいや違う」

 僕が信じているのは波だ。



 ……アレが、波? 俺には立方体に見えるけど。

 近付いてみるといい。微かに波紋がある……


「…………」
「…………」
「本当だ。なんか動いてる」
「だろう」
 日々、観察を怠らずして此処まで来た。

「この地味な作業を、まだ続けるおつもりで?」
「無論」
 何故なら全てを捧げているから。

 解明の時を待たずとも。

「それを無謀って言うんじゃないの」
「では一度振ってみようか」

 …………ちょっと、ちょっとちょっと、

【祈りを捧げて】

12/24/2025, 4:33:19 PM

どうりで羨ましく感じるわけね
思い出を残さないと得られないのよ

残すほどの事でも無かったものね
それを大切に仕舞っておくのが
どんなに難しいったら

わかる?

誰にも言ったことがないから
誰も知らないでしょうけど

もう過ぎてしまった事を思うと
もやがかかって時間がとまって

すぐ引き返すの

あたしずっと欲しいものがあるみたい
でもそれら全部捨ててしまった
人でなくても良いのなら
この縫いぐるみの感触に似てる

【遠い日のぬくもり】

12/23/2025, 12:21:03 PM

 ポトポト。
 ぽたぽた。
「うーん」
 てりてり。チルチル。
「ちがうのよ」うんうん悩む腕組みの子。
「もっといいのがあるはずなのよ」
 あたまをつかって! 帽子のポンが、ふわふわたむたむ。
 周りの子らも、ぽてぽてわやわや。
「まーだきまらないの?」
「あのねあのね」
「こんなのがすきー」
 危ないから近付かないで。
 両手の囲いをそっと建設。よじ登らないで。
「みえないもん」「ねー」

 …………。

 ゆらゆら。

「それなのよ!」
 ビシッと決めて、くるりポージング。「きょうからこのこはゆらゆらなのよ」
 ぱちぱちパチパチ、わあわあキラキラ。騒がしい夜。
 満更でもないけれど。

「さあみんなでわになっておどるのよ」

 つくえのうえの、ちいさなせかい。
 キャンドルも語源も通じない世界。
 より共感を得られたものの重複した名が決まる世界。

「とってもきにいったのよ」
 ふんふん歌って影揺らすから、水を差さずに見守った。
 卓上ツリーは無くたって。
 ひとりでは居られない夜。
 
【揺れるキャンドル】

12/22/2025, 11:55:32 AM

どうでもいいことが頭の中を、ぐるぐると。
浮かんでは繋がらずに消えてゆく。

本当に行きたいところへ足が向かない。

『寄り道するのも良いもんだ』
 面白いことに出会うから。
あの人が云っていた通りには、なかなか。そう上手くはいかないもので。
『何も考えずに進むまで』
 人生に石橋を叩く暇も無い。
あの人がつぶやいた真理にも、なかなか。たどり着くには長すぎる。空を仰いで。
 ……目を細める。

 遠く、飛び石の隙間。
 天使の梯子が降りている。

「ぼーっと突っ立って、なぁに考えてるの」

向こうから翠色のうちわ片手に、ぴょいぴょいと。
ゆたりと扇げば神楽鈴。
「ふたつ曲がれば逢えたのに」
 ね、なにをかんがえていたの。

いいえ何もと応えておく。ふぅんと関心の途切れる声。
「ほんとうに惜しいのに」

 あの橋を渡りましょ。
うちわ指すほう、見落としていた抜け道が。にやりと天使の口元が覆い隠され。

【光の回廊】

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