どうでもいいことが頭の中を、ぐるぐると。
浮かんでは繋がらずに消えてゆく。
本当に行きたいところへ足が向かない。
『寄り道するのも良いもんだ』
面白いことに出会うから。
あの人が云っていた通りには、なかなか。そう上手くはいかないもので。
『何も考えずに進むまで』
人生に石橋を叩く暇も無い。
あの人がつぶやいた真理にも、なかなか。たどり着くには長すぎる。空を仰いで。
……目を細める。
遠く、飛び石の隙間。
天使の梯子が降りている。
「ぼーっと突っ立って、なぁに考えてるの」
向こうから翠色のうちわ片手に、ぴょいぴょいと。
ゆたりと扇げば神楽鈴。
「ふたつ曲がれば逢えたのに」
ね、なにをかんがえていたの。
いいえ何もと応えておく。ふぅんと関心の途切れる声。
「ほんとうに惜しいのに」
あの橋を渡りましょ。
うちわ指すほう、見落としていた抜け道が。にやりと天使の口元が覆い隠され。
【光の回廊】
12/22/2025, 11:55:32 AM