いまみたいに
なにをいったらいいのか わからないときって
たくさんあって
ありふれたことは おとながみんな
いってたし
さりげないことは かえってきみを
くるしめそうだし
つぎのひとことで みらいがかわるかも
そうかんがえたら
なにもいえなくて
ただ ここにいる
きみの くうかんに
いつもとなりとは いかないけれど
めをあわせなくても
てをにぎらなくても
じかんやくうかん みえないものが
ふたりでいることをゆるすとしって
【伝えたい】
「……ひと足遅かったみたいだね?」
「だから予約しておけと言ったんだ」
見渡すかぎりの自由席はすべて埋まっていた。青空の下、木々や草花に囲まれて人々がしずかに眠っている。
「あぁでもほら、此処なんか見晴らしが良いよ。立ち見は嫌かい?」
「ひとりで勝手に突っ立っていろ、一生」
「一生って……」
わかりやすく傷ついた顔をして、若い男が腕を下ろした。気にも留めず男は離れてゆく。二人は同僚だった。
ただ一度、同じプロジェクトに参加しただけの。
「悪かったよ」
若い男がぽつりと。
「君を巻き込むつもりは無かったんだけどさ」
「…………」
謝られた男はそのとき背を向けており、視線の先には刻名があった。どこかで聞いたことのあるような、いちどは呼んだことがあるような、ありふれた名のひとつ。それがなぜか、いまは無性に懐かしく。
石のように固まる後ろ姿に、先ほど謝った男は気まずそうな顔をした。
「『―――』! ……本当に、ごめん」
男はそのときようやく顔をあげ、横を向いた。
「何か言ったか」
夢から醒めたような目をしている。
「君ねぇ……」
もういいよ、一人で勝手に行くから。拗ねた態度を隠さずに、男が離れてゆく。そのあとをもう一人の男が着いていった。
青空の下、見渡すかぎりの墓石が土に埋もれていた。それぞれが何度も足を運び、謝罪し、決意を供え、空席を探したことのある。
【この場所で】
だれもがみんな
しんじてる
じっせきないけど ほんきをだせば
︙
だれもがみんな
ゆめみてる
きっとどこかで なにかがかわると
︙
だれもがみんな
あきらめた
いつかはこないよ いまあるかぎり
︙
そしてだれもが
こういった
いきるのつらいってみんなそうだろ
【誰もがみんな】
タイミングが掴めず
渡しそびれた花を集める
包装紙を買ってこようか
いっそ占ってしまおうか
好き、嫌いでちぎれるほど単純なものでもない
恋は儚く 愛は脆い
束にするなら色やバランス
受け取られかたもかんがえて
けれども野原の花々に
咲く 以上の祈りがあろうか
花を贈ります
一輪 選んだ花束を
どれほど不格好な表現も、言葉以上の意味は無いこと
白日にさらされた棘や毒は
身を守ってきた証しということ
やっとのことで差し出した
その手が下を向くのなら
淡い花びらが散るまえに
いっそ飲みこんでしまおうか
【花束】
ドーパミン
まだ手に入れていないからこそ
報酬抑制 頑張れるでしょ
なみなみ注いで
安心 緊張
ラインはいっしょ じつのところ
容易く満たされるちっぽけな空間
あと数滴なら我慢できるけど
蒸発したら また同じでしょ
【溢れる気持ち】