白米おこめ

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12/2/2024, 12:28:56 PM

むぎゅ。

眩しさに目をつむる音。
眩しさに抱きしめられる音。

そうやって光に包まれている時、
後ろからは影がそっと自分の背中を支えてくれている。

目が灼かれないように、
闇がそっと目の中の色を消してくれている。

光と闇。真逆のようでいて、隣り合う存在。
どちらか一方だけでは成り立たない。存在しえない。
その確約された存在の狭間で、私達は生きている。

産まれたその時から、分娩室のライトに照らされて、
母の胎に影を落としている。
そうやって生きて、死して尚、ろうそくの光に照らされて、
骨壷や墓標からずっと影を落とし続ける。

光だけでは影を生み出せず、影だけでは光を生み出せない。
狭間に何かが、
私達がいるからこそ光と闇は共存できるのだ。


光と闇。それと私たちは、共依存である。

光と闇の狭間で、私たちは存在を維持している。


「光と闇の狭間」 白米おこめ(加筆)

12/1/2024, 12:02:06 PM

あなたとの距離が近づく度に、
怖くて離れる僕を許してください。

遠くで見つめるくせして、目が合うと
何でもないふりをしてしまう僕を見ないでください。

近づきたいくせに、勇気がなくて
ちっぽけな一歩も踏み出せない僕に気づかないでください。

お願いだから、そんなに近づかないで。
僕は、あなたが近くにいるともうどうしようもないんです。
だから後ろに下がるしか、方法がなくて。

そうやっていつも逃げていたら、
気づかないままあなたと背がぶつかってしまって。

固まる僕に近づいたその距離の分だけ、
また彼女のことを好きになってしまったんだ。

「距離」 白米おこめ

11/30/2024, 11:19:50 AM

あなたの目尻をそっと舐める犬。

「泣かないで」 白米おこめ

11/29/2024, 11:29:16 AM

悴む指先で、自販機のボタンを押して、
あたたかい飲み物を取り出す、その瞬間。


「冬のはじまり」 白米おこめ

コンポタはじっくりコトコト派。

11/28/2024, 11:17:42 AM

さよならは、頬を撫でるその手つきで分かったの。
離れがたさを含んで、いっとう優しく撫でていたの。
私は微睡の中で、生ぬるい優しさの中で、
ひとつ泣いていたの。
あなたは私よりもずっと泣いていたから、
気づかなかったのでしょうけど。

私とあなたの涙のペトリコール。
さよならを言えないまま逢えなくなったって、
別に構わないの。
私はずっと好きなのだから。

だから、どうか、あなたの人生を。



「終わらせないで」 白米おこめ

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