白米おこめ

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むぎゅ。

眩しさに目をつむる音。
眩しさに抱きしめられる音。

そうやって光に包まれている時、
後ろからは影がそっと自分の背中を支えてくれている。

目が灼かれないように、
闇がそっと目の中の色を消してくれている。

光と闇。真逆のようでいて、隣り合う存在。
どちらか一方だけでは成り立たない。存在しえない。
その確約された存在の狭間で、私達は生きている。

産まれたその時から、分娩室のライトに照らされて、
母の胎に影を落としている。
そうやって生きて、死して尚、ろうそくの光に照らされて、
骨壷や墓標からずっと影を落とし続ける。

光だけでは影を生み出せず、影だけでは光を生み出せない。
狭間に何かが、
私達がいるからこそ光と闇は共存できるのだ。


光と闇。それと私たちは、共依存である。

光と闇の狭間で、私たちは存在を維持している。


「光と闇の狭間」 白米おこめ(加筆)

12/2/2024, 12:28:56 PM