水無瀬 陽鳴

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2/2/2024, 11:12:10 AM

⒍勿忘草

あなたは日々が過ぎると同時に記憶が無くなり
全てを忘れていく
人も、物も、名前も、存在すらも…
「…お願い、私を忘れないで」
この頼みはきっと明日には無くなってしまうのだろう。

2/1/2024, 10:58:05 AM

⒌ブランコ

小さい頃からあなたと一緒に遊んでいたブランコが大好き。
昔はおっきいと思ってたブランコの座も、今の私じゃ小さいくらいに成長した
またあなたと一緒にこぎたいな、それは叶わぬ夢だとしても。
いつの日か、大好きだったブランコは今では苦手になっていた。

1/30/2024, 11:10:22 AM

⒋あなたに届けたい

愛してる
ずっとちゃんと、どんなことがあったって
あなたを愛しています。

なんて、綺麗事を言われてみたい。
私は生まれつき足がない
人間にとって、“何かが無い”ということはハンデでしかない
だから私は特別支援学級というところで過ごしている。
もちろん“普通”の人達と一緒の学校内でだ、ジロジロ見てくる目が怖い
私達だけでは大変だから掃除や色々なことを手伝ってくれる人がいる
それは“普通”のクラスにいる人達
今日は1人だけみたい…
「…よ、よろしくね…」
「可愛いっすね…」
「へっ…!?」
「名前はなんて言うんすか!先輩ですよね、」
「え、えと…桜」
「桜…綺麗な名前ですね、あ、そうだ掃除!」
「ぁ、えうん…」
「君、名前は?」
「ぁ?!おっ、俺っすか!?」
「りゅっ、龍介っす!!」
「龍介くんか…よろしくね」
「ぅッ、うっす!」
その子、龍介くんは見た目こそ怖いものの素直な性格で可愛かった。

時は流れ卒業式当日〜
「さっ、桜先輩!」
「?どうしたの、龍介くん」
「すッ、好きです!!」
「そッその…つ、つ…つ付き合ってくださぃっ!!」
「…」
人生で初めて告白をされた
「え…」
嬉しいのと同時に本当に私でいいのかと思った
「…でもさ」
「私…普通じゃないし」
「……え?先輩は普通ですよ」
「な、何言ってるの…?」
「先輩こそ…」
「だって!私足無いんだよ!?」
「それじゃあ俺は頭が無いです」
「…ぇ」
「俺は、普通じゃないです。」
「龍介くんは普通だよ…!?」
「でも俺は、俺自身が普通だと思ってないんです。
普通ってのは他人には決められません、自分が決めるものなんです」
「まぁ…綺麗事みたいになっちまいますけどね笑」
「俺の自論です、」
「先輩に足がなくたって、腕がなくたって」
「俺は先輩の足や腕に惚れたんじゃない、」
「貴女の性格とか素直に言える心に惚れました」
「こんな奴でも良いなら付き合ってください!!」
「っ…ぅッんっ!うん…ッ!」
「ごめんね…ありがとうッ…」
今まで恋したってこんな自分じゃなんて思ってた
でも、彼は自分の想いを私と向き合って教えてくれた
だから私も答えなきゃ…
「龍介くんッ…私も…大好きッ!!」

1/29/2024, 11:10:40 AM

⒊I LOVE

私は禁断の恋をしている。
私は生徒、彼は先生

でも、私は愛に年齢、性別、対象、立場なんて関係無いと思っている。
だって“その人自身とはなんにも関係無いから”
年齢なんて生まれた年、性別、立場なんて決められない、対象は自分自身で決めるのだから。
そこに他人が入る隙間なんてものは無い。
だから今日も私は声を掛ける
ガラッ…
「失礼します、遥人先生!」
「ああ…よく来たね、陽太君」
年齢も性別も、立場も名前も。全てを忘れてしまった
私の初恋に。

でも、“LOVE”は
お互いの気持ちが同じ位でないと成り立たないものだと知っている。

1/28/2024, 11:34:59 AM

⒉街へ

「っはぁッ…はぁッ…はッ」
逃げなきゃ、逃げなきゃ!!
そんな考えが頭をグルグルと回っていた。
「逃げるな、止まれっ!!」
そんな怒号が静かな街に鳴り響いた_。

「ふぇえ゙ぇっッ」
「赤ん坊の鳴き声が聞こえたぞ!」
バレる、バレてしまう。
こんな子供一人のせいで…
私の計画が壊れる!!
咄嗟に思った、被っていた頭巾を赤ん坊の口に突っ込む
「ぅ゙ッゔぅッ」
「うるさいんだよ…」
ガッ
込めれるだけの全力の力で赤ん坊をハイヒールを履いた足で踏み潰した。
“グチャッ…”
と何度聞いても慣れない音が鳴る。
╌╌
ウーッウーッと夜中なのに煩いパトカーの音が鳴る。
風呂上がりにアイスを咥え、テレビを付けた
「××市、○○時、×分に連続赤ん坊殺人事件の犯人が捕まりました。」
「犯人の女は全面的に事を認めており_」
何と赤ん坊連続殺人事件の犯人が捕まったらしい
「ふーん…警察も大変だな」
「そうね〜…でも、まさか…」
「“こんな簡単に捕まるなんて…”」
「……え?」
「それよりさ_」
俺は彼女の言葉が少し引っかかったまま次の旅行先である、××市についての予定を立てた。


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