水無瀬 陽鳴

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⒋あなたに届けたい

愛してる
ずっとちゃんと、どんなことがあったって
あなたを愛しています。

なんて、綺麗事を言われてみたい。
私は生まれつき足がない
人間にとって、“何かが無い”ということはハンデでしかない
だから私は特別支援学級というところで過ごしている。
もちろん“普通”の人達と一緒の学校内でだ、ジロジロ見てくる目が怖い
私達だけでは大変だから掃除や色々なことを手伝ってくれる人がいる
それは“普通”のクラスにいる人達
今日は1人だけみたい…
「…よ、よろしくね…」
「可愛いっすね…」
「へっ…!?」
「名前はなんて言うんすか!先輩ですよね、」
「え、えと…桜」
「桜…綺麗な名前ですね、あ、そうだ掃除!」
「ぁ、えうん…」
「君、名前は?」
「ぁ?!おっ、俺っすか!?」
「りゅっ、龍介っす!!」
「龍介くんか…よろしくね」
「ぅッ、うっす!」
その子、龍介くんは見た目こそ怖いものの素直な性格で可愛かった。

時は流れ卒業式当日〜
「さっ、桜先輩!」
「?どうしたの、龍介くん」
「すッ、好きです!!」
「そッその…つ、つ…つ付き合ってくださぃっ!!」
「…」
人生で初めて告白をされた
「え…」
嬉しいのと同時に本当に私でいいのかと思った
「…でもさ」
「私…普通じゃないし」
「……え?先輩は普通ですよ」
「な、何言ってるの…?」
「先輩こそ…」
「だって!私足無いんだよ!?」
「それじゃあ俺は頭が無いです」
「…ぇ」
「俺は、普通じゃないです。」
「龍介くんは普通だよ…!?」
「でも俺は、俺自身が普通だと思ってないんです。
普通ってのは他人には決められません、自分が決めるものなんです」
「まぁ…綺麗事みたいになっちまいますけどね笑」
「俺の自論です、」
「先輩に足がなくたって、腕がなくたって」
「俺は先輩の足や腕に惚れたんじゃない、」
「貴女の性格とか素直に言える心に惚れました」
「こんな奴でも良いなら付き合ってください!!」
「っ…ぅッんっ!うん…ッ!」
「ごめんね…ありがとうッ…」
今まで恋したってこんな自分じゃなんて思ってた
でも、彼は自分の想いを私と向き合って教えてくれた
だから私も答えなきゃ…
「龍介くんッ…私も…大好きッ!!」

1/30/2024, 11:10:22 AM