「梅雨」
ついに、梅雨の時期がきた。ジメジメと蒸し暑いから嫌な時期だ。外では雨が降っている。
「早く梅雨明けしないかな」
外を見ながら私は言った。
「そうだね。僕は雨が上がった後、虹が見れると嬉しくなるよ」
本を読んでいた彼が顔を上げて言った。
「私もそうだよ!ラッキーと思う」
空に虹が架かるという想像を頭に浮かべながら私は嬉しくなった。
「嬉しそうだね。君と虹が見れるといいな」
彼がニコニコしながら言った。
「うん!」
私は彼と話をして、梅雨の時期も悪くないかもしれないと思った。
「無垢」
「君は無垢な人だ。僕はそんな君が好きだよ。
そのままの君でいてほしいな」
僕は、君に伝えた。君は照れて笑っていた。
「終わりなき旅」
昼休み。コーヒー缶とサンドイッチを持ち、休憩室へ向かう。
休憩室に入りいつもの席の椅子に座って、サンドイッチを食べながら僕は仕事ができず、落ち込んで自己嫌悪に陥っていた。
だけどクヨクヨしていても状況が変わるわけがない。
「ここで終われるわけがない。もう少し頑張ろう」
独り言が口に出ていた。
独り言を誰かに聞かれていたら恥ずかしいと思い、ハッとした。
辺りを見回したが、人はまだいなかった。
サンドイッチを食べ終わり、コーヒー缶を飲み干した。
コーヒー缶をゴミ箱に捨てた時、僕のネガティブな気持ちも一緒に捨てたような気がした。
さぁ、僕の終わりなき旅、人生はここからまた始まるんだ。と思いながら、休憩室を後にした。
「ごめんね」
私と友達はささいな事で喧嘩してしまった。いつもなら、すぐに仲直りするが、なかなか謝る事が出来ず、長引いてしまっている。
友達が、今日は風邪で大学を休んだ。授業のプリントを届ける事とごめんねと伝えるため、友達の家へ行く事にした。
ピンポーンとインターホンが鳴り、ドアが開いた。友達が出てきた。
「ゴホッゴホッ。今親が、買い物に出かけていて私、1人なんだ。今日は、何の用事かな?」
「今日、君、大学を休んだから授業のプリントを届けにきたんだ」
「そう。中に入って」
「うん。お邪魔します」
2階の友達の部屋に入り、机をはさんで座る。
「はい。これ。授業のプリント」
「ありがとう。ゴホッ。風邪をうつしたら悪いから早く帰って」
「いや。私、君に謝りたいから家に来たんだ」
深呼吸をし、君の顔を真っ直ぐに見て言った。
「この間はごめんね。君の気持ちを考えないまま、自分の気持ちを押し付けてしまった」
すると、友達は目をそらして言った。
「あんまり、真っ直ぐ見ないでほしい。なんか照れる。ゴホッ。いや、私の方こそ、あんな言い方をして君を傷つけた。ごめんね。仲直りしたいな」
「うん!」
「あっ、そうだ。お見舞いにぶどうのゼリーを買ってきたよ」
私はリュックからゼリーを取り出した。
「ありがとう」
「早く風邪が治るといいね」
友達は頷いた。
「じゃあまたね!」
「じゃあまた!」
私は友達の家を後にした。帰り道に「ごめんね」と謝る勇気も必要なんだなと思った。
後日、友達は元気になった。今は、一緒に授業を受けて、課題のレポートを書いたり、弁当を食べたり、大変だけど楽しい日々を過ごしている。私はこの友達との関係がこの先も続くといいなと思っている。
「半袖」
5月なのに、真夏日の暑さで嫌になる。周りを見ると、今日は半袖の人が多いと思った。
私も今日は、半袖だ。昨日、急いでタンスから半袖を引っ張り出した。
これから、また暑い夏がくる。今年も扇風機やエアコンが大活躍するだろうな。と考えながら会社へ向かう朝だった。